ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

長崎新聞の論説を読む

長崎新聞に「社会の基盤危うくしないか 消費減税と積極財政」という下記の論説が掲載された。
「物価高による生活苦を和らげる政策が、今ほど求められる時はない。同時に、それが財政や医療・年金など大切な社会基盤を危うくするようでは禍根を残す。衆院戦の焦点である消費税減税と積極財政について、有権者はよく考えた上で、1票を投じる必要があろう。与野党とも物価高対策の柱は消費税減税である・・・・。

 しかし、減税は失われる税収の問題とは切り離せない。食品ゼロなら年5兆円に上り、それは医療・介護・年金の社会保障の財源不足に直結する。高市政権が消費税減税をこれまで封印してきた主な理由は、この点にある。
 ところが各党とも、減税を主張しながら財源ははっきりしない。各党には、選挙戦を通じて具体策を明らかにする責任がある」

 この論説を読んで、一つ疑問を持った。その疑問は、「消費税減税を実施した場合に生ずる税収不足は医療・介護・年金などの社会保障の財源不足に直結する。それで良いのか」という問題提起である。
 この論説が主張しているように、私たちの消費税は、本当に私たちの社会保障費に使われてきたのだろうかという疑問である。
 確かに、消費税は社会保障の費用に充てるということを念頭に導入されたが、実際は、一般会計予算に組み込まれ社会保障だけに使われているわけではない。一部が社会保障費に使われていることは認めるが、消費税は、税収の直間比率の是正という名目で消費税を上げるたびに、それに相当する額の法人税が減税されてきた。これは財務省が発表する資料でも明確である。つまり、消費税は、法人税減税の穴埋めに使われてきていることも大きい。また一般財源であることから防衛費にも使われている。
 消費税の目的は、消費税法第1条2項に「消費税は・・・・医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に当てるものとする」とはっきりと明記されている。
 これは、消費税について国民の理解を得るために、消費税の目的を明確にするため法律に明記したものである。ところが、特定財源とされなかったために、時の政権が本来の目的を無視して自由に使用しているのが実態である。
 消費税減税により社会保障の財源が不足するのであれば、消費税導入時に国民に約束し、消費税法に明記されている通り、消費税は、まず社会保障に使ってもらいたいと思う。そしてその余りを他に流用すべきである。時の政権の都合で政権維持のために使うなど持っての他である。

 日本の財源不足を問題にするのであれば、防衛予算の拡大こそ問題の本質だと思う。
高市首相は2026年防衛関係費には、12年連続で過去最大となる9兆353億円(前年度当初予算比3・8%増)を計上した。さらに、政府は2023〜27年度の5年間の防衛費は60兆円にすることを決めている。この防衛費の急拡大が本当に国民にとって必要なのか、また、この防衛費の急拡大は増税につながり、さらに国民生活を苦しめることにならないのか、この防衛費拡大についてもっと議論を深めてもらいたい。
 
 1976年、三木武夫内閣が軍事大国化の歯止めとして「防衛費はGNP1%枠内」を決定して以来、長らく日本の防衛予算はGDPの1%であったが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻が起こり、北大西洋条約機構NATO)加盟国が相次ぎ国防費を2%にすると表明したことに追随する形で、当時の岸田文雄首相が日本の防衛費を2%にすることを決定した。そして防衛費2%を優先的に確保するために国民生活に皺寄せが起きている。


 また、2025年6月、NATO加盟国はNATOハーグ・サミットで2035年までに5%(3.5+1.5)という新たなコミットメントを採択した。3.5%をNATOが合意する定義にもとづく「防衛費」、1.5%を広義の安全保障関連支出とした。最近では、NATOの事務総長は、2%を「ceilingではなくfloor」、すなわち上限ではなく「最低ライン」と強調するようになった。今後、NATOは3.5%という「新たな目標水準」を追求していく。日本がNATO に追随して2%にしたように、これからは3.5%を追随し、さらに5%を確実なものにしていく公算が強い。それで良いのかどうかをこの選挙で問題にしてほしい。

 日本を軍事大国化して強い国にする。そのため防衛費予算拡大を最優先に取り組むのが高市政権である。さらに政府高官による核保有発言についてもお咎めなしである。このような軍事大国化を目指す高市首相の方針でいいのかどうか、これを選挙の争点にしてもらいたい。消費税も大切であるが、それ以上に、防衛費に今までにない予算を注ぎ込み、軍事大国化を目指すことが、日本にとって本当に進むべき道かどうかを選挙の論点にしてもらいたいと思う。