内田樹さんの「米国の病とその原因」という評論を読んだ。そこには次のように書かれていた。
「米国とイスラエルのイラン侵攻が起きた。イランと戦争なんかしても、合理的に考えて、米国にとって『いいこと』は何一つない。ということは、トランプは『合理的に考えないで』行動したということになる。どういう脳内妄想に駆動されたのだろう。たぶん取り巻きの誰かが『イランのイスラム共和国は民主化を求める市民運動でもう倒壊寸前ですから、ちょっと軍事的に揺さぶったら、たちまち政権交代して夢にまで見た親米政権ができますよ』とささやいたのだと思う。侵攻直後のステートメントで『イラン革命から47年』という言い方をトランプはした。パーレビ国王がエジプトに逃亡して、イランの親米政権が瓦解した日こそ、米国が立ち戻るべき『歴史的起点』だとトランプは思っていたのだろう。
でも、戦争を始めてみたら話が違っていた。親米傀儡政権などできる気配もない。米国はアフガニスタンで20年、イラクで8年海外での戦争にコミットしたが、ついに親米政権はできなかった。むしろ戦争によって米国は敵を増やし、国力と威信を失い、グローバルリーダーの地位から転落した。同じ失敗をトランプもまた繰り返すことになるのだろうか。
これはもう『米国の病』と言ってよいだろう。病因の一つは日本だと私は思う。『軍事的に徹底的に敗北した国は忠実な従属国に変わる』という成功体験を米国に刷り込んだのは間違いなく日本である。この成功体験に居着いている限り、米国はこれからも海外侵攻を繰り返し、属国化に繰り返し失敗するだろう。
だから、米国がこの成功体験を忘れて、帝国主義の夢から醒めるためには、日本が『従属国』でも『傀儡政権』でもないということを米国に教えることが最も効果的であると私は思う。
米国と対等の同盟国になることは日本にとってそれほど難しい外交的課題だと私は思わない。それができないのは米国の属国であることの代償として『代官』の地位を保全された政治家たちが自己保身のために『独立』を妨害しているからである。代官の地位は自国の主権と引き換えにしても良いほど居心地がよいのだろうか」
米国の病は第二次世界大戦後の日本の属国化に起因するという話であった。日本との戦争に勝った米国は、以来、日本を完全に属国化し、宗主国としての利益を貪り続けている。これほどの美味しい話は地球上にはない。だから第二、第三の日本国を作るために戦争をやめられない。つまり、日本に対する成功体験が戦争大好き国家アメリカの病気の原因であると書かれていた。
さらに、米国がこの成功体験を忘れて、帝国主義の夢から醒めるためには、日本が「従属国」でも「傀儡政権」でもないということを米国に教えることが最も効果的である
そして、米国と対等の同盟国になることは日本にとってそれほど難しい外交的課題だと私は思わない。それができないのは米国の属国であることの代償として「代官」の地位を保全された政治家たちが自己保身のために「独立」を妨害しているからである。代官の地位は自国の主権と引き換えにしても良いほど居心地がよいのだろうかとも書かれていた。
これからの日本にとって、一番重要な課題は、米国の属国であることの代償として「代官」の地位を保全された政治家たちが自己保身のために「独立」を妨害していることを正すことであると私も思う。
日米間には日米地位協定という条約が交わされている。日米地位協定は様々な植民地的内容が含まれていることは知られているが、日本の政党や政治家でこの条約についての改正に取り組まないのは、米国の日本統治に協力し、日本の独立の妨害をしていることと同じことであると思う。日米地位協定の改正に取り組むかどうかをリトマス試験紙として日本の政党、日本の政治家を見ていきたいと思う。代官の地位を保全された政治家を排除することから始めないと日本の独立は達成できない。