ネットニュースで次の記事を読んだ。
「自民党は4月12日、高市早苗首相(党総裁)の就任後としては初めてとなる党大会を都内のホテルで開き、高市首相は『日本人の手による自主的な憲法改正は党是だ。時は来た』と主張した。『改正の発議にめどが立った状態で来年の党大会を迎えたい』と語り、国会での改憲議論を加速するべきだとの認識を示した。
首相は改憲について、『議論のための議論であってはならない。国民の負託に応えるためには、決断のための議論を行うべきだ』と述べ、『今後30年の国の安全保障を考える上でも、これまでになく死活的に求められている』と強調した」と書かれていた。
高市首相が改憲に前のめりになるのは、トランプ大統領に約束したアメリカの戦争に自衛隊を派遣するために改憲を急ぎたいのだと思う。
私がそういうことを知人に話すと、知人は「自民党の改憲草案では、憲法9条は変えないと書いてあったから心配ないと思うよ」と言っていた。しかし、騙されないようにしてもらいたい。
自民党は2018年3月、憲法9条1項・2項は残しながら、新たに憲法 9 条の 2 という条文を設け、軍事的組織である「自衛隊」と、その任務である「必要な自衛の措置」を憲法に書き加えるという「改憲追加条文イメージ(自民党案)」を公表している。そこには次のように書かれている。
憲法 9 条
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
憲法9条の2(改憲追加条文イメージ)
1 前条の規定(注:憲法9条の規定)は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
2 自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
憲法9条についての自民党改憲案は、憲法9条はそのまま残るから、平和主義や自衛隊のあり方は何も変わらないと説明されているが、実態は憲法9条の2が新たに加わることで、前文の憲法9条が否定されることになり、変わらないどころか、詐欺的手法で憲法9条の平和主義を無意味化することになると法曹界の多くの学者から指摘されているものである。
私は今年喜寿を迎える。今の心境としては、もはや欲しいものは特にない。人生の最終盤を迎え、日々平凡に安穏に暮らすだけである。戦後まもなく昭和24年に生まれ、日本国憲法の平和主義の中で育ち平和を謳歌してきた。全ての先輩諸氏から、日本国憲法の平和主義を守り、さらに次世代にしっかり伝えるよう言われてきた。しかし今、日本国憲法の平和主義は破壊されつつある。まだ今は平和主義が残っているが、高市首相の改憲論議に引き摺り込まれると平和主義は完全に破壊されるだろう。次世代に平和主義が破壊された日本国憲法を伝えることしかできないことを一番悔やむ。私達世代の大きな過ちは、日本国憲法の平和主義を守れなかったことになる。次世代に、平和主義の日本国憲法を残せなかったということになる。これは悔やんでも悔やみきれないことである。
しかし、悔やんでばかりいても始まらない。今からでも遅くはない。これ以上破壊されないように、また、すでに壊された日本国憲法を正常に戻すためにできるだけのことはしないと死ねない。これが私の残された課題である。日本国憲法の平和主義を受け継いだ世代である私達の課題である。