


散歩の出発点は香焼町のシンボルパークである。シンボルパークには「愛と平和の像」とともに大きな錨がモニュメントとして置かれている。この錨は香焼町が造船の町であることを示している。公園の壁には香焼町で建造された船の写真がいくつか掲示されていた。その中に「宗谷」の写真を見つけた。南極観測戦「宗谷」は昭和13年(1938年)ここ香焼町の川南造船所で建造され、昭和31年から昭和37年まで南極観測船として活躍したと案内板に書かれていた。


シンボルパークをスタートして南西方向に進んでいく。だらだら坂を上っていくと左手に小学校のグランドが見えてきた。そして、その先の山から太陽が顔をのぞかせている。現在5時56分。今日の長崎市の日の出は5時26分であった。ずいぶん明けるのが早くなった。季節が春から夏に確実に進んでいるのを実感する。


さらに先へ進んでいくと中学校のグランドが見えてくるはずであるが、生垣として植生されている貝塚伊吹が大きく成長し、枝葉が密生し目隠しされてグランドが全く見えない。以前は木の間からグランドが見えていたのに、植物の成長の早さに驚く。貝塚伊吹が途切れたところで、グランドが見えてきた。


さらに進んでいくと、歩道の壁際に大きなペーロンのレリーフを見つけた。ペーロンは長崎の夏の風物詩と言われるほど昔から伝わる競漕である。その昔、唐人屋敷の中国人から伝わった船を漕ぎ競う祭りは長崎の各漁港で行われる夏の楽しみである。まもなくすると、今年もまたドラや太鼓の音が香焼町にも聞こえてくるだろう。楽しみである。


香焼町の船着場に到着。この湾奥の船着場から周りを見ると四方を山に囲まれて、山の方からは様々な鳥の声が聞こえる。また沖合の方からはカモメの鳴き声が聞こえる。海は静かで、囀りだけを聞きながらす過ごす時間もまた楽しい。


船着場で囀り鑑賞を楽しんだ後、今日の一番の難所へ挑戦する。魚見岳展望台に行くにはここから約200段の階段を登ってく行かねばならない。その中でも魚見大橋までの140段は上り辛い階段である。ゆっくり登っていく。


やっとの思いで上りきって、魚見大橋の中央まで行き下をのぞいて写真を撮る。フェンスぎりぎりに立とう思うが怖いのでぎりぎりに寄れない。高所恐怖症は幾つになっても治らない。


さらに展望台目指して進んでいく。落ち葉が降り積もっている山道をしばらく上っていくと展望台の建物が見えてきた。


魚見岳展望台に到着。展望台から東を見ると太陽が眩しく輝いている。西の方を見ると穏やかな海が広がっている。薫風を受けながら広大な景色を楽しみつつ浩然の気を養う。
久しぶりに香焼散歩を楽しんだ。船着場で係船杭に腰掛けて静かな海を眺めながら鳥の囀りを聞いた。私の家の中でも鳥の声が時々聞こえるが、船着場で聞く囀りは賑やかで、いろんな種類の鳥がいるのがわかる。鳥の声を聞くのを楽しみに散歩するのも面白い。季節が変わり朝が早く明けて、ますます短夜になっているのを実感した。