ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

日本は新型軍国主義

 6月11日の長崎新聞紙上で次の記事を見た。
「中国とパキスタンが5月下旬に発表した共同声明で、『軍国主義復活のたくらみに反対する』と記したことに対し、日本政府がパキスタン政府に日本の立場を申し入れたことが6月10日わかった。
 中国は日本の防衛力強化を新型軍国主義と非難。声明の文言は日本を念頭に置いたものと見られ、申し入れには、中国の宣伝に対抗する狙いがある。台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に反発した中国は友好国を巻き込み、対日圧力を強めている。日本は、国連などの場で中国への反論を続けている。
 複数の外交筋によると、日本政府は今月上旬、在パキスタン日本大使館を通じ、専守防衛の方針や平和国家としての歩みは変わらないと伝えた。パキスタン側は、日本の平和国家としての立場に理解を示したという。パキスタンは、伝統的な親日国だが、中国とも緊密な関係を築いている」と書かれていた。

 中国が以前から日本のことを新型軍国主義であると批判しているのは知っている。また、小泉防衛大臣が軍備を増強したからといっても、軍事大国の中国から指摘されるのは納得できないと反論していることも知っている。しかし、新型軍国主義の評価は中国からだけでなく、親日国であるパキスタンからも出ていることを知って驚いた。もしかしたら、アジア各国が日本を平和国家ではなく新型軍国主義国家と警戒しているのではないかと思った。

 確かに、日本国民の立場で考えても、生活第一の政治ではなく、国防という名の軍事最優先政治で国民の生活は毎年毎年苦しくなっているのを実感する。国家予算では、あらゆる予算が削られる中にあって、軍事関連予算だけは天井知らずである。憲法改正という掛け声で改憲が議題にのぼるが、これも平和憲法から戦争しやすい国作りを目指しているような改憲内容である。

 自民党総裁や衆院議長を務めた河野洋平さんが6月8日に亡くなられた。河野洋平さんは穏健路線の外交・安全保障を掲げるハト派の第一人者であった。日本国憲法について、「この憲法は310万人の命と引き換えに手にした憲法です。9条は決意であり、覚悟であり、理想です。理想を目指すのが政治家の使命です」と語っていた。その日本国憲法を時代が変わったと言って、改憲意欲を高らかに語る高市首相始め、戦争の悲惨さを知らない政治家の言葉をどれほど苦々しい思いで聞いていただろうかと思う。

 先日、朝日新聞に「文蔵の一石」という記事が載った。そこには次のように書かれていた。
 「35年前の1991年、湾岸戦争に日本は自衛隊を派遣せず、国際社会の批判にさらされた。米兵の『日本は金だけだ』との発言をテレビで見た高知市の土佐塾高校の高校生柏木文蔵君は『憲法9条を知らない米国人は日本を嫌うかもしれない』と思い、アメリカのメディアに英文で手紙を書いた。『1人の兵士も湾岸戦争に送らない理由がある。日本国憲法9条だ。私たちは1945年以来、戦争を放棄している。米国人と文通を希望する。戦わない理由を説明したい』と書いた。すると、遠い高知に100通を超える航空便が届いた。その中には自分の国にも憲法9条が欲しいというメールもあった。高知の学舎では、図書室に『文蔵の一石』として米国からの手紙や星条旗とともに今も保管されている」とあった。

「文蔵の一石」から35年、また日本は軍事的支援を求められた。しかし、集団的自衛権を容認した日本では、二度と「文蔵の一石」を書く高校生は表れないだろうと思う。確かに日本は武器を持たない、武器輸出もしない平和国家から軍国主義国家へ変容しているのである。小泉防衛大臣は意地になって、新型軍国主義は当たらないと否定していたが、平和憲法を壊す改憲そのものが新型軍国主義と言われても仕方ない。小泉防衛大臣が、新型軍国主義でないと主張するのであれば、口先で誤魔化すのではなく、まず、日本国民が納得するような実際の行動で示してもらいたい。そうしなければ、国際社会の理解などとても得ることはできないと思う。