ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「エクス・マキナ」を見る

 

チャットGPDが話題である。Chat-GPT(チャット-GPT)とは、ユーザーがテキストベースで入力した質問に対し、人間に迫るような高度かつ自然な回答をAI(人工知能)が返すチャットサービスである。AIを研究するアメリカの非営利団体「OpenAI」より2022年11月に公開されて以来、その精度の高さからChat-GPTは世界中の注目を集め、利用ユーザー数は大きく伸長している。大手金融機関UBSの調査結果によると、2023年1月時点におけるChat-GPTの月間アクティブユーザー数は1億人に達し、「歴史上もっとも急速に成長している消費者向けアプリ」と言われている。利用範囲は無限大と言われ今後も大いに期待が持たれているが、その源はAI(artificial intelligence 、人工知能)である。AIの発展によって、私たちの生活は今後も大きく変わっていくのだろうと思っている時、映画「エクス・マキナ(EX MACHINA)」を見た。エクス・マキナ(EX MACHINA)』は2015年イギリスにて、2016年には日本でも公開されたSFスリラー映画である。その映画のタイトルである「エクス・マキナ」は機械仕掛けという意味のラテン語であるらしい。そして、この映画には人類と人工知能(AI)の未来を描いたものであった。あらすじは以下の通りである。

 「大手検索エンジン会社のブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブが社長ネイサンの別荘に招待される。専用ヘリコプターで向かった先は社会から隔絶された山奥で、社長ネイサンはそこで人工知能が搭載された人型ロボットを作っていた。ネイサンはケイレブに、開発中の人工知能に対してチューリング・テストを実施してほしいと依頼する。ケイレブはそれを快く引き受ける。かくしてケイレブは、人工知能を搭載した女性ロボット「エイヴァ」と対面することになる。エイヴァは美しい女性の顔面と手首、足首だけが人工皮膚で覆われ、それ以外は中の機械が透けて見える状態であった。美しさと不気味さをを併せ持つエイヴァに、ケイレブは興味を持ち、惹かれて行く・・・・・・・・」
  チューリングテスト(Turing test)とは、機械(=人工知能)の能力が、人間が行う「知的活動」と同等、もしくはそれと区別がつかないほどであるかを確かめるためのテストである。もっと簡単にいうと、人工知能が人間の模倣をして、それに人間が人工知能であると気付かないかどうかをテストすることである。

ネイサン社長は人工知能を持つ女性ロボットのエイヴァのチューリングテストをするためにケレイブを招待した。ネイサン社長はエイヴァがこの研究施設から脱出したがっていることを知っていて、エイヴァがケイレブとコミュニケーションをとり、脱出の協力をケイレブから得ることができればチューリングテスト合格ということを考えていたようだが、その予想通り、エイヴァはケレイブに秘密を打ち明け協力を頼み、ケイレブはエイヴァの魅力に惹かれながら脱出の協力を約束し計画は進み、紆余曲折を得て、最終的にエイヴァは憧れの都会の雑踏に消えていくというストーリーであった。エイヴァは都会の雑踏に消えていったが、現代社会に人型ロボットがすでに入っていることはないだろうかと思った。

 将来、人間よりもっと人間らしい女性ロボットが現れて、人間よりもっと知的レベルが高い人間みたいなロボットが現れた時、全く人間かどうか見分けもつかない時、どうなるのだろうと思った。少子化で人間が少ないから、代わりに人工知能を持つロボットが作られる。そのロボットは人間よりもっと人間的で、人間より上手に仕事をして、人間より力も強い。そのようなロボットが人口の半数を占めるようになった時、しかもロボットはみんなチューリングテストに好成績で合格しているものばかりだから人間と見分けがつかない。そういう時、納税もするのであれば国民として認められる時が来るかもしれない。あくまでもSFの世界であるが、そのSFの世界が近い将来、現実の世界になりそうなところまで来ている。

 人工知能の発展は明るい未来であってほしいが、識者の見解は必ずしもそうではない。  スティーブン・ホーキング氏は「人工知能の発明は、人類史上最大の出来事だった。だが同時に『最後』の出来事になってしまう可能性もある」と述べているし、ビル・ゲイツ氏は「これは確かに不安を招く問題だ。よく制御できれば、ロボットは人間に幸福をもたらせる。しかし、数年後、ロボットの知能が充分に発展すれば、必ず人間の心配事になる」と述べている。
イーロン・マスク氏も「人工知能についてはかなり慎重にならないといけないと思います。おそらく人類の一番大きな脅威となりうるでしょう。ですので、本当に慎重さが求められます。悪魔のような独裁者は、少なくともいつかは死ぬ。だが、AIに死が訪れることはない。永遠に生きる。つまり、絶対に逃れることのできない不死身の独裁者が現れるようなものだ」として、永遠に破壊されることのない危険なAIを作り出す危険性を警告したほか、「AIが核兵器よりも危険なものとなる可能性がある」と表明している。

AIの発展は人類に幸福をもたらすものばかりではないという意見が多い。2045年にはシンギュラリティの到来によって、人工知能の知性が人類の知性を超えるとも言われている。慎重に進めてもらいたいと切に願う。