ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

俳句講座 第四回目受講

 俳句講座も最終回を迎えた。今回は句会形式で講座が行われた。
当日、会場に行くといつもは教壇に向けて並べられている机が、車座になるように配置されていた。そして自由に好きな場所にお座りくださいと書いてあった。

 定刻になり講座が始まった。講師が今日は句会です。まず3句を個短冊に書きましょうと言う。受講者の中に句を二句しか作ってきていないという人がいた。では、すぐに作ってください。俳句は基本、即吟即興です。リアリティを追求すると即吟即興が一番です。俳句は多作多捨で、俳句は百句作って残るのは一句のみいやもっとかもしれない。だから俳句は拙速を尊ぶのですと説明されていた。
 各自3句を個短冊に書いて提出した。講師を含め出席者11名、合計33の個短冊はシャッフルされ、ばらばらにされて再度3枚づつ各自に配られた。それを各自が配られた清記用紙に丁寧に転記した。そして、清記用紙の各句の頭に番号がふられた。個短冊から清記用紙に転記することで誰の作品かがわからなくなった。つぎは、この清記用紙を使って選句することになる。今日の句会では各自5句を選句するように言われた。まず、清記用紙の転記が終わったら、その中から選句に該当する句があるかどうかを検討し、選句に該当するのがあればメモに残す。そして、自分が書いた清記用紙は右隣の方に回す。同時に、左方から回ってきた清記用紙を見て選句する。選句に該当すのがあればメモを残す。その繰り返しで清記用紙を反時計回りで隣に送っていきながら、選句をしていく。そして、自分の清記用紙が自分のところに戻ってくるまで繰り返した。自分が選句した中から5句を選び、さらに、その中から一句を特選としてマークをする。そして、順番に各自披講をしていった。

本日の高得点の句は次の3句であった。まず、本日の最高点7票の特選優秀作は次の句であった。
「そら豆のみどり豆腐や昼の卓」
食べ物を俳句に詠む時は美味しそうに作れと言う鉄則がある。その鉄則通りのいい句です。みどり豆腐という言葉に冷奴の涼感や舌触りなど五感の全てに伝わるみずみずしさを感じる。美味しそうな句ができましたと高評価であった。

次点の句は「祈る手の同じ高さや夾竹桃
同じ高さは、修学旅行生が夾竹桃の近くで祈っているのだろうかと想像する。長崎では、夾竹桃は原爆の花である。原爆は祈りの日である。原爆、祈り、夾竹桃は長崎人にとってセットであり、この祈りは恒久平和の祈りであろう。長崎の夏の日常を切り取った一枚の写生句である。

同じ6点の句は「梯梧咲く非戦島唄新たにす」であった。
梯梧が咲き、島唄に歌う非戦の思いを新たにしたという心情俳句が受講者にはにわかりやすく共感を呼んだようだ。しかし、講師の評価は厳しかった。この句は三段切れになり好ましくない。また、梯梧も島唄も沖縄を表していることを考えると材料が多すぎる。材料は一つがすっきりする。添削「梯梧咲く非戦の思い新たにす」この俳句は私の俳句であった。高得点を取ったことは嬉しいが、指摘される通りの欠陥句であったこともよくわかった。

 私が投句した「半夏生一葉ありて涼味かな」は2点であった。
講師の評価は、この句の「半夏生」も「涼味」も夏の季語で二重季語になるから、言葉を変える必要があるということであった。「半化粧一葉ありて涼味かな」植物の「半夏生」を「半化粧」とは書かない。しかし、意味はわかる。二重季語違反をパスするためにこの字を使ったが、勝手に名前をつけないようにと注意された。なかなか変える言葉が浮かばない。

私の今回の投句の一番の自信作「境内を覆う青空吹き流し」は0点であった。誰も投票してくれなかった。この句は、5月の鯉のぼりを読んだ句で時期が過ぎていると思われたみたいだが、鯉のぼりを読んだ句ではない。私はいい句が詠めたと喜んでいたのだが、他人の評価が0点であったことは今後の戒めとしたい。「興福寺参拝の折り詠む」という但し書きがあれば投票があったかもしれないという講師のアドバイスであった。

 俳句初級講座の4回は瞬く間に過ぎてしまった。俳句は面白いということはわかった。多作多捨でどんどん作り続けなければ上達しない。これが今回の講座のまとめであった。これを契機に、また俳句作りに精を出したいと思う。

私の作品を現場写真に書き込んだ。

梯梧が咲いているのを、今年初めて見た。梯梧を見るたびに沖縄を思い出す。そして、沖縄の思いを俳句にした。

右の幡と五色の吹き流しは長崎の興福寺の旗印である。興福寺唐寺である。興福寺には中国からの船が入港するたびに幡と吹き流しが掲げられた。これらが掲げられると航海の神様媽祖像を興福寺に安置すための媽祖行列が盛大に行われたという。五色の吹き流しを仰ぎ見ると、当時の中国人の隊列が吹き鳴らす笛や太鼓の音が遠くから聞こえてくるよう感じがした。