ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

久しぶりの上京 その1

羽田空港にて

 

 久しぶりに上京した。上京した理由は、孫に会うためと友人の病気見舞いと大学時代の同期会への参加である。また、時間が取れる限りついでに近辺の観光もしたいと思って上京した。新型コロナウイルス感染症が発生したのが2019年12月、その後、一気に拡大して、不要不急の外出は控えるようにという警告が出され、日常生活が一変した。あれから既に三年が経った。3年間、上京を差し控えていた。

 毎年、全国各地で持ち回りで開催されていた同期会も3年間の中断が続いた。そして現在も、新型コロナは終息したわけでは決してない。寒くなるとコロナ第八波とインフルエンザが同時に大流行するのではないかという不気味な予測もされている中、私たちの来年の同期会も未定である。

 それでも、今ならなんとか会えるのではないかということで、東京で参加できる者だけで小人数の同期会が行われ参加した。私たちが今まで行ってきた同期会は泊まりがけで温泉に行き、その夜は高歌放吟し、飲めや歌えやの大宴会になるのが慣例であったが、今はそのようなことができる状況ではない。今回はコロナ感染予防の観点から、感染防止策を徹底しながら昼食会として行われた。そして3年ぶりに友達と会って歓談して楽しいひとときを過ごすことができた。参加した友はみんな元気で何よりであった。いつもの飲めや歌えやの同期会と違って、少し物足りないような感じもするが、今はやむを得ないとみんな思っているのだろう。大きな声を出さないようにして、白いアクリル板で仕切られたテーブルで行儀よく食事をしながら楽しいひとときを過ごした。そして、コロナ感染予防のためもちろん二次会なしで散会した。

 

迎賓館赤坂離宮

友達と四谷で別れて、このまま真っ直ぐ帰るのはもったいない気がして、少し四谷近辺を歩いてから帰ろうと思い、銀杏並木の黄色い葉に誘われるように歩き始めた。しばらく行くと迎賓館赤坂離宮が見えてきた。ここが赤坂離宮だと思って周りを歩いていたら一般公開中という案内を見つけた。宮中晩餐会にご招待されることは絶対にないから内部を見る機会はない。これはいい機会だと思って見学することにした。

 入館する前に新型コロナ感染防止対策はもちろんだが、厳格な持ち物検査、身体検査などを受ける。そしてパンフレット一式を渡される。入館の注意書きを確認していよいよ入館であるが、そこには大きく館内での写真撮影、ビデオ撮影厳禁と大きく書かれてある。館内では携帯などの操作をしないように注意書きがある。残念である。館内の写真を撮ろうと思っていた私としてはとても残念であるが規則なのは仕方がない。了解して入館する。(以下、館内写真はパンフレットより引用)

 

左:正面玄関ホール    右:二階大ホールへ続く大天井

館内は順路に従って進む。館内の要所、要所では館内放送で説明が聞ける。まず、海外からの賓客を最初にお迎えする玄関ホールである。玄関ホールの床の市松模様の大理石の白い部分はイタリア産大理石のビアンコ・カララが、黒い部分は宮城県産の玄昌石が用いられているという説明であった。お出迎えを受けたお客様は階段を登って大ホールへ向かうことになるようだ。

 

左:朝日の間     右:朝日の間の天井画

「朝日の間」は要人の表敬訪問や首脳会談が行われる場所で、また、国賓天皇皇后両陛下とお別れの挨拶をする最も格式の高い部屋という説明であった。部屋の名前の由来は天井に描かれた朝日を背に4頭だての白馬の車で天空をかける女神から「朝日の間」と呼ぶらしい

 

左:花鳥の間   右:花鳥の七宝焼

ここ「花鳥の間」は晩餐会が催される場所である。木曽産のシオジ材で板張りされた内装が落ち着いた心地よさを感じさせ、直線を意識した意匠はフランスで16世紀に流行したアンリ2世様式を取り入れたものと言われている。壁には四季の草花の中に戯れる鳥を表現した30枚の七宝焼が飾られている。

 

左:羽衣の間  右:羽衣の間のオーケストラボックス

羽衣の間は赤坂離宮の中でも広さが最大の部屋である。かつて、舞踏室と呼ばれていた部屋である。歓迎式典や晩餐会の招待客に食前酒をふるまう場として使われたり、演奏会が行われることもあるようだ。

 

左:彩鸞の間     右:黄金に鳥「鸞(らん)」

「彩鸞の間」は、本来、賓客が最初に案内される控えの間として使われる場所である。また、総理大臣による外国元首との首脳会談や条約調印にも使われる場所である。部屋の大鏡の上に金色に輝く鳥のレリーフがあり、これが古代中国の想像上の鳥である「鸞」である。「鸞」は国が平和で栄えている時に現れると言われる鳥である。

 

ゆっくり館内を見学していたら、終了時間が迫ってきた。今日は本物のいいものを見る絶好の機会となった。世界に出しても恥ずかしくないものが、ここにはあった。真善美の極みがここに凝縮されているのが理解できた。いろんなものに出会う機会があるから旅は楽しい。