ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

孫君と行く島原鉄道の旅

 夏休みで来崎した小学校一年生の孫君の趣味は電車である。長崎県にはJR九州島原鉄道松浦鉄道が走っている。長崎の電車に乗りたいと言うので、長崎駅から島原鉄道が走る島原まで二人で電車旅を楽しんだ

 

二人でバスで長崎駅に行く。長崎駅前でバスを降りて工事中の長崎駅構内を案内に従って進む。島原へ行くには、JR九州長崎本線でまず諫早へ行き、そこで島原鉄道に乗り換えて島原まで行くことになる。長崎から諫早まで行く1番早い便は、11時02分発の佐世保行きシーサイドライナーである。11時02分のシーサイドライナーは5番ホームから出ることを確認して5番ホームへ行く。

 

5番ホームに来ると、隣のホームは西九州新幹線のホームになっており、そこには、今から出発するかもめが停車していた。白い車体に赤の線が入ったかもめは優雅である。5番ホームから孫君と一緒にかもめの写真を撮っていたら、静かに滑るように出発して行った。

 

5番ホームには2両編成の電車が停まっていた。これが、11時02分発の佐世保行きシーサイドライナーである。「定刻5分前にドアが開きます。しばらくお待ちください」という案内があり、乗車位置に並んでドアが開くのを待つ。この電車のエンブレムにはYC1という記号が書かれている。周りのローマ字を読むと「やさしくて、ちからもち」と書かれてある。YCはその頭文字でこの電車は「やさしくて、ちからもち1号車」という意味なのだろう。

 

やさしくてちからもちの佐世保行きシーサイドライナーはトイレ付きの2両編成で車内はきれいである。この時間帯の利用者は少なく車内は閑散としている。私たちは諫早まで利用するが、諫早までは途中二駅に停車して所要時間24分で諫早に着く。快速シーサイドライナーは、快適な走りであっという間に諫早に着く。

島原鉄道島原半島を海岸沿いに線路が敷かれていたが、過疎化による利用者減少のため、島原外港より先の区間は2008年に廃止され、今は諫早から島原外港までの区間の運行だけになっている。今日は始発駅の諫早から島原までの区間に乗車する。

 

諫早駅JR九州シーサイドライナーを降りて、島原鉄道のホームへ行く。島原鉄道のホームには島原外港行きの一両編成の電車が待機していた。島原鉄道の車両カラーは黄色である。車体には島原の子守唄をモチーフにした子守が島鉄に乗っている様子が描かれている。島原の子守唄は森繁久彌さんが昔歌って、当時一躍全国的に有名になった曲である。

 

諫早から島原までは20駅である。それを一両編成の島鉄電車が各駅停車で80分ほどかけて走る。しばらく車窓に映るのどかな田園風景を楽しんでいたが、ガッタンゴットン、ガッタンゴットンの単調な繰り返しを感じていたらいつのまにか、私も孫君も眠ってしまったようだ。気づいたら神代駅に電車は停車していた。ちょうど窓には「サッカーの町くにみ」というオブジェが目に入った。その後、景色を楽しみながらいくつか駅を過ぎたら、ホームの後ろはすぐ海という駅に到着した。ここが日本で1番海に近い駅と言われる大三東(おおみさき)駅である。降りて写真を撮りたいと思うが、降りたら次の電車は1時間後である。降りることを諦め、帰りに立ち寄ることにして先に進む。

 

今日の目的地である島原駅に到着。島原駅の駅舎は島原の観光名所でもある島原城の大手門をモチーフにして造られた駅舎である。そして駅舎の正面には島原民謡として昔から歌われてきた島原の子守唄のオブジェが観光客を迎えている。

 

島原では島原城を見学した。島原城は1618年(元和4年)着工、7年の歳月を経て完成した五層の天守閣を持つ本丸や北には二の丸、三の丸を配置して外郭は4キロに及ぶ勇壮な城である。明治維新で廃城となり解体されたが、島原市民の夢であるお城復元の取り組みが長年続き1964年(昭和39年)天守閣が復元されて現在に至っている。天守閣に登ると西には眉山とその先には雲仙・普賢岳が見える。島原散歩をしながら島原名物を食べたりしていたら、帰りの時間が迫ってきた。帰りは大三東(おおみさき)駅の写真撮影があるので、タクシーで大三東駅へ急ぐ。

 

タクシーで20分ほど走って大三東駅に到着。ここは本当に海岸ギリギリに作られた駅である。そして、ここ大三東駅キリンレモンのCM撮影地である。

 

日本一海に近い大三東駅のホームのフェンスには幸せの黄色いハンカチがたくさん結ばれてはためいていた。この黄色いハンカチに願い事や大切な人へのメッセージなどを書いてここに掲げておくと、その後神社に奉納して祈願してもらえる仕組みになっているようだ。島原鉄道の黄色の車両は五穀豊穣の実りの黄色を意味している。またここは黄色のキリンレモンの駅でもある。黄色に縁が深い駅だから幸せの黄色いハンカチはよく似合う感じがする。

 

大三東駅で写真を撮っていたら、踏切の警報器が聞こえてきた。そして諫早行きの島鉄が到着した。ここからもう一度、島原鉄道に乗車して帰路に着く。孫君との電車の旅は楽しい。できるだけ孫君と一緒にこれからも電車の旅をしたいと思う。