ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

八郎岳へ登る

S点をスタートして赤点へ戻る循環コース。距離5.7km、最高高度589m、最低高度60m、総上昇高度591m、消費カロリー1278kcal、天気曇り、気温18度、湿度61%

5月中旬に仲間と八郎岳へ登る計画がある。私は、今回の八郎岳登山の担当者になっているので、その下見を兼ねて予定コースを歩いてみることにした。計画では5時間の登山である。時間通りにできるかどうか、またコース上に問題点はないかをチェックしながらの山歩きである。

 

八郎岳は長崎市内で一番高い山である。一番高い山と言っても589mの低山である。だから、多くの市民が気楽に山歩きを楽しめる山でもある。八郎岳登山コースは易しいコースからきついコースまでさまざまなコースがあるが、今日のコースが一番オーソドックスなコースである。そして、この階段が今日の八郎岳登山口である。近くに車を止めて準備を整えて歩き始める。歩き始めたらすぐに、新しい案内看板が立っていた。「登山口はこちら、まっすぐです、(土井首小)」と書いてある。小学生が案内看板設置に協力したようだ。

 

登山道は痩せ尾根道が続く。少しづつ上ってきたら案内看板を見つけた。「まだ、しょっぱなバイ。油断しとったらおっちゃけるばい。先は長かけん注意して行ってこんね」と書かれている。有名な山ではなく、ほとんど地元の人しか利用しない山だから、あえて長崎弁で気持ちを込めて書いたようだ。ちなみに、「おっちゃける」は「落ちる」という意味である。

 

上り続けると息が切れる。歩くのがつらくなる。そういう時に小学生が描いた案内看板を見つけて元気をもらう。案内看板を見ながら歩くのは楽しい。頂上から1400mというのは登山口に頂上まで2.6kmと書かれていたから、1200mを登ってきたことになる。岩に注意と書かれているが確かにこのあたりは岩が多くなった。子供たちも体験しながら描いてくれているので説得力がある。

 

中間地点到着。「半分まで来たばい」長崎弁は語尾にばいをつけることが多い。中間地点で小休止する。

 

中間地点を過ぎて山道はだんだん険しくなる。黙々と一歩一歩汗かきながら登っていくと、案内看板が声をかけてくれる。「椅子に座って、一休みしたらどがん」どがんは「どうでしょう」という誘いである。ちなみに「どがんしゅー」とは「困った。どうしよう」という意味になる。

 

さらに登っていくと、今度は「ベンチがあるよ。一休みしませんか」ときた。たまには標準語もいいなと思う。しかし、周りにベンチらしいものは見当たらない。案内看板をもう一度よく見ると切り株ベンチと描かれている。確かにベンチがわりになる切り株があちこちにある。現場を体験した人ではないと描けない看板である。

 

いよいよ頂上に近くなる。案内看板の長崎弁の熱い応援メッセージが心強い。励まされながら登っていく。

 

最後の急坂を歯を食いしばって登っていくと「もうすぐ頂上ぜよ」ときた。「ぜよ」は龍馬の言葉だから土佐弁で長崎弁ではない。しかし、なぜ龍馬がここで出てきたのはわかる気がする。龍馬は長崎にたびたび来ていたことから親近感を持つ人が多いからだろう。「ぜよ」という言葉に後押しされながら最後の急坂を登っていくと青空が見えてきた。

 

八郎岳到着である。頂上からの展望は素晴らしいといつも思う。この絶景を楽しむために皆さんこの山を目指す。山頂に居合わせた人たちと会話しながら絶景を楽しむ。

 

女性の登山者が私に「金蘭、銀蘭を見ましたか?」と聞く。「見ていません」と言うと、「今満開だから、見た方がいいですね」と言う。頂上から100mほど下ったところにネットで囲んであるということであった。帰りにゆっくり見てくださいと言われたが、私は往復コースではないのでもうそこは通らない。見るためには戻る必要がある。せっかく登ってきたけど、金蘭銀蘭を見るために、今来た道を戻って見ることにした。

 

頂上から100mほど下った登山道のすぐ近くにネットで囲まれた一角があり、そこに金蘭・銀蘭は確かに綺麗な花を咲かしていた。この場所は金蘭・銀蘭の自生地で植物学的に貴重な場所ということで採取禁止になっている。写真撮影のみ可であった。100m降りてくるだけの価値は十分あった。

 

その後、八郎岳にとって返し、昼食をとり休憩したあと、次の目的地小八郎岳へ行く。久しぶりの小八郎岳行きなのでコースを確認しながら進む。小八郎岳の頂上は展望はきかない。

 

小八郎岳から千々峠へ降りてくる。この間は、以前道迷い遭難があった場所である。コースを確認しながら進み、千々峠に到着する。千々峠は薄暗い林の中から急に開けた広い場所に出るので、いつもほっとする。ここで小休止して最後の出発点までの最終コースに進む。

 

 

千々峠から最後の行程へ進んでいく。ここはテープを頼りに歩いていく。1箇所自然の飛び石を伝って小さな川を渡る場所がある。今日は、いつもより水量が多い。いつもは難なく渡ることができる場所だが、水量によっては濡れないで渡るのがむずかしい。当日の水量が少し心配である。千々峠登山口入り口の看板まで下りて来て登山道は終了。あとは車道を15分ほど進み出発点に戻る。時間は5時間20分であった。金蘭の見学で20分ロスした分オーバしたようだ。時間配分は問題なし。その他注意点を確認できたことは収穫であった。次回、仲間と行く山行を楽しみたい。