ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

高齢者グループに誘わないで

職場の女性事務員のTさんはなかなか楽しい人である。

職場で65才以上の高齢者4人で、高齢者グループを結成している。4人ともすこぶる元気で、みんな年齢より若くみられることが多い。

最近、職場の若手職員が数人相次いで風邪を引き欠勤することがあった。そのことが高齢者グループで話題になり、高齢者グループの最長老のℹ︎さんが、近くにいた女性事務員のTさん(高齢者グループよりひと回り若い)に「Tさん、若いもんばかり欠勤しとるけど高齢者だけが元気やね。」と声をかける。

すかさず、「何?高齢者だけが元気って、その高齢者グループに私も入ってるの?私に声かけないで。私はまだ充分若いから高齢者グループにいれないで。」と返事する。「もちろん、あんたも高齢者グループのメンバーに四捨五入で充分入っとるよ。」とℹ︎さん。「いや、いや、そんなところ四捨五入しないで!」

お二人の会話で周りの人の心が和む。

 

Tさんは家庭の主婦であり、職場では様々な業務を担当していて多忙である。残業もたびたびある。繁忙期に入りTさんが担当する業務も忙しくなる中、私はTさんに尋ねる。「仕事で遅く帰る時の夕食の準備なんかはどうしてるのですか?ご主人が作ったりするのですか?」「いいえ、帰りが遅くなると思う時は前日に夕食の準備をしておくとか、朝から下準備してから出勤するなどして来ます。主人は料理は全くダメです。やりません。」と言う。

そこで、私はアドバイスをした。『ご主人はTさんに結婚を申し込んだ時、「君を一生大事にするから結婚してください」と言ったでしょう。だから、今日帰ってご主人に話したらどうですか?あなたは私に結婚を申し込んだ時に、私を一生大事にすると言ったでしょう。だから仕事が忙しい時は、私の代わりに家事をして下さい。と言って手伝ってもらったらどうですか?料理ができないなら、料理教室に行って料理の勉強してもらったらどうですか?』と言ったところ、即座に「それはだめです!」と言う。「なんでですか?ご主人は厳しい人ですか?」「いいえ、厳しいことはありません優しい人です。実は、結婚は私が申し込んだんです。私が結婚を申し込んだ時に、あなたを一生大事にするから結婚してくださいと頼んだのです。だから家事をしてなど、とても言えないですよ。約束違反になりますよ。」と笑う。

 

すごい。若い時、確かに私も結婚する時私の奥さんに「君を一生大事にするから結婚してください。」と言った。

しかし、結婚したら、そのような言葉を言ったことさえ忘れて、苦労ばかりかけている。若い時に言ったことを忘れてしまっている。

 

しかし、Tさんは求婚した時に、自分が言った言葉を決して忘れていない。若い時に言った言葉、はるか昔に言った言葉を決して忘れない。

そして、その言葉を35年間以上守り続けてきた。そしてこれからも一生、その言葉を忘れないで守り続けていくと言う。誠実な人とはまさしくTさんみたいな人を言うのだと思う。なるほど、Tさんの日頃の態度ふるまいも、この誠実なお人柄の賜物だと納得する。

合わせて自分の不実さを深く恥じる。