ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「商業捕鯨」再開

 

6月30日の長崎新聞に「日本、IWC(国際捕鯨委員会)脱退、31年ぶり商業捕鯨再開へ」という見出しが掲載され、「日本は30日、クジラの資源管理を話し合う国際捕鯨委員会を脱退した。戦後、日本は主要な国際機関を脱退した例はなく、極めて異例の対応だ。関係者には悲願の再開となるが、鯨肉消費は縮小しており、事業の先行きは不透明な情勢だ。オーストラリアや欧米の反捕鯨国を中心に国際社会からの批判が強まる恐れもある。この国際捕鯨委員会の脱退により、7月1日、山口県下関市の港から、「共同船舶」が運行する日新丸など3隻の船団が出航し、商業捕鯨がいよいよ再開する。」と記事にあった。

 

この記事を読んで、何かしら違和感を覚えた。日本は今まで、国際協調主義をとってきたのに、「この強硬姿勢は何なんだろう?」という違和感である。

 

ここに至る経過を記すと、日本は、1951年に国際捕鯨委員会に加盟した。1982年、資源の枯渇という理由により国際捕鯨委員会は「商業捕鯨」の一時停止を決定した。それに対して、日本は科学的調査の必要性をを主張して「調査捕鯨」を開始して現在に至っている。日本は長年、「商業捕鯨」の再開の交渉を続けてきたが、商業捕鯨再開は実現しなかった。昨年の総会でも再開を目指す日本提案は否決された。日本は、反捕鯨国が過半を占める国際捕鯨委員会で協議を続けても、4分の3の賛成が必要となる「商業捕鯨」再開が認められるのは困難と判断して、昨年12月に脱退を表明し国際捕鯨委員会側に通告し、条約の規定で30日に脱退が成立した。

 

1982年の商業捕鯨の一時停止以来、商業捕鯨再開に向けて様々な活動が行われてきた。一つは調査捕鯨であり、反捕鯨国からは実質的な商業捕鯨であるという非難を浴びながら、日本の調査捕鯨官営事業として、年間51億円の予算のもとに政府を通して行われてきた。また、国際捕鯨委員会での商業捕鯨再開の賛成票買収のため、416億円を費やしてきたと言われている。(注: 捕鯨の支持を得るために莫大な金を使う日本 ALIVE海外ニュース2002.5-6)

 

これほどの大金を注いでやらなければいけない事業?という疑問を持つ。1981年の商業捕鯨が一時停止された後、日本は商業捕鯨の再開に向けてのPR活動を展開するが、その報告書のなかで、「我が国の外交、通商問題の観点から見ると、捕鯨の継続はデメリットといえるかもしてない。それにもかかわらず、政府が捕鯨の維持、存続の方針を変えないのはなぜか。その大きなバックボーンになっているのが、強固な世論である。「捕鯨中止の理由は筋が通らない。不当な圧力をはねのけて、日本人の伝統的な食習慣を守れ」との主張は強まる一方である。と書かれている。

 

鯨を食することは、日本人の伝統的食習慣といえるだろうか?疑問を持つ。それに、伝統的食習慣という声はますます強まってきているだろうか?疑問を持つ。また、日本捕鯨協会のHPには、いささか古いが、商業捕鯨賛成が90%、商業捕鯨反対は10%というアンケート調査が載せられている。これほどまでに国民の多くが賛成しているということは本当だろうか?と疑問を持つ。

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世界から孤立しても主張を通す必要のある事案なのか?釈然としない。調べていくと、違和感に溢れている捕鯨問題という感じがするが、私ばかりだろうか?