ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

JR九州観光列車の旅 その4

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昨夜は指宿温泉「吟松」に宿泊した。このホテルは食事のお世話は担当制になっているようだ。昨夜の夕食の時にお世話してくれた女性が朝食もお世話をしてくれた。お世話をしてくれた人は中国出身の若い女性であった。この若い中国人女性は日本語が堪能で驚いた。私は中国語を4〜5年学んでいるがほとんど進歩していない。この女性の日本語を聞いていると、私ももう一度頑張ろうという気持ちになる。明るい中国女性のお世話を受けながら朝食を美味しくいただく。

 

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今日の天気はあいにくの雨になった。今日の予定は知覧観光と長崎へもどるJR九州鉄道の旅である。ホテルの近くから知覧行きの鹿児島交通のバスに乗車する。乗車して車内アナウンスを聞いていると「知覧行き乗ったり降りたりバスをご利用いただき有難うございます」と言っている。この乗ったり降りたりバスの1日乗車券とか2日 乗車券を購入すると気ままにいろんな観光地巡りが格安でできるようだ。バスで南薩摩地方の観光地巡りするときは便利な制度である。小雨が降る中、バスは山超え谷超えして知覧へと急ぐ。

 

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知覧特攻平和会館(ホームページより)

知覧ではまず、知覧特攻平和会館に行く。最寄りのバス停である特攻観音入口で下車して傘をさして会館へ行く。会館には多くの方が見学に見えていた。受付でチケットを購入し、案内用のタブレットの貸し出しを受ける。そのタブレットの音声案内を受けながら順路に沿って見学していく。この知覧基地を飛び立った特攻隊員は1036名にのぼる。その中には日本人ばかりでなく11名の韓国人特攻隊員も含まれるそうだ。お一人お一人の遺書や絶筆などの説明を聞きながら見学していく。見学していきながらお一人お一人の声を聞いているような気分になった。喜んで死地に赴くと言う遺書も多くあった。未来ある多くの若者が愛する人を残して、親に先立つことを謝し、命を捨てて敵艦に体当たりしなければならなかった当時の現実を思うと、涙を禁じ得ない。二度とこのようなことが起こらないように英霊を前に固く誓う

全ての遺書、絶筆に故人の人柄を感じる。

その中で、富山県出身の枝 幹二大尉(22歳)の絶筆が忘れられない

 

あんまり緑が美しい   

今日これから  

 死に行く事すら   

忘れてしまいそうだ。   

真青な空    

ぽかんと浮ぶ白い雲    

六月の知覧は     

もうセミの声がして    

夏を思わせる。   

       作戦命令を待っている間に

 

 

小鳥の声がたのしそう

「俺もこんどは

小鳥になるよ」

日のあたる草の上に

ねころんで

杉本がこんなことを言っている

      笑わせるな

本日13時35分

いよいよ知覧を離陸する

なつかしの

祖国よ

    さらば

使いなれた

万年筆を“かたみ”に

           送ります。

(注  四百字詰原稿用紙三枚半にペン書き)

 

 

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特攻平和会館を後にしたら、次は知覧武家屋敷を見学する予定だったが、雨脚が強いので武家屋敷散歩を断念して、鹿児島中央駅に行くことにした。バス停でしばらく待つと「乗ったり降りたりバス」が来た。2回目の乗車をする。3回以上乗ったり降りたりするなら、2日乗車券を買った方がお得になるらしい。

 

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JR九州新幹線さくら406号

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さくら406号車内

新幹線さくらに乗車して、新鳥栖駅まで行く。1時間23分の新幹線の旅である。まだまだ新しい新幹線は気持ちが良い。新幹線は高速だが静かで揺れないことに乗るたびに驚く。矢のように進み定刻に新鳥栖駅に到着する。

 

 

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JR九州かもめ31号

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かもめ31号のデッキの室内装飾

新鳥栖駅でかもめ31号に乗り換える。行きのかもめはツバメが代行していたが、帰りのかもめは正真正銘の白いかもめである。とは言っても白いかもめにツバメのトレインマークが書かれているのが気に入らない。かもめにはかもめのトレインマークが欲しい。夕暮れの景色を見ているうちに日が暮れて行き、ネオンサインが輝きを増す頃長崎駅に到着する。

 

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長崎駅のクリスマスツリー

18時52分長崎駅到着。クリスマスツリーがお出迎えしてくれる。これで2泊3日のJR九州観光列車の旅を終えた。素晴らしいホテルで最高級のおもてなしを受け、美味しいものをたらふく食べて竜宮城の浦島太郎気分の3日間だった。

その中で、「知覧、慰霊の旅」は、二度と同じことを繰り返してはならないという「不再戦の誓い」を心に固く決める旅となった。