ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

第1078番船 命名式見学

私が住んでいる香焼町は造船の町である。香焼では、古くから名だたる企業が船造りに取り組んできた。現在は大島造船所が2022年12月に三菱重工業から香焼工場を取得し、積極的に事業に取り組んでいる。その大島造船所では、「地域と共に」をモットーに掲げ、地域社会との繋がりを大切にして事業を進める方針の一環で、船の命名式の際に近隣住民を工場に招待し、一緒に門出をお祝いするという行事を行っている。今回、香焼町の町内会を通じて命名式見学招待の話があったので喜んで参加させていただいた。

 

当日、集合場所のバス停に送迎用の貸切バスが到着する。町内の皆さんと一緒に貸切バスに乗りこむと、町内会のバス旅行みたいな雰囲気になる。ほぼ満員の状態でバスは出発して5分で香焼工場入口に到着。

 

入構ゲートを通過して構内へ入っていく。巨大な船を造る香焼工場はとにかく広い。私は20年くらい前に、一度だけ見学で入ったことがあるが、それ以来である。構内に掲げてある標語などを見るのも楽しい。「強く、明るく、面白く」という標語を私は気に入った。この標語を見るだけで会社の雰囲気がわかるような感じがする。

 

工場内を進んでいくと世界最大級の規模を誇る「百万トンドッグ」が見えてきた。このドッグの長さは990mで幅100mである。巨大な船を建造するのに欠かせない設備である。このオレンジと白のドッグこそ香焼を代表する景観である。

 

そしていよいよ、今日の主役である第1078番船が停泊している岸壁に到着する。大きな船で一枚の写真に収まらない。紅白の幕が引かれた会場が船尾近くに作られている。係の方の案内に従って会場の席につく。

 

くす玉がセットされた会場にはニ百人ほどの方が集まっていた。中には小学生も先生の引率で参加していた。今日の命名式は子どもたちもいい思い出になるだろう。

 

舞台に来賓の方が集合されて、命名式が始まった。式の案内は英語と日本語で行われた。20年前に参加したときは英語だけの案内だったので半分も理解できなかったが今回は日本語通訳付きの進行で助かった。はじめに国歌斉唱があり、シンガポール共和国国歌と君が代の曲が流された。会場が一気に国際的な雰囲気になった。次に来賓の方の紹介があった。その後、アトラクションとして和太鼓の演奏が行われた。

 

アトラクションの後、来賓の社長さんが船の名前を「SANTA EMBLY(サンタ エンブリー)」と命名された。SANTA EMBLYの新しい船長さんが紹介されて船長さんが出港の合図なのか汽笛を大きく鳴らした後、来賓の女性の方が支え綱を斧で断ち切ると大音響とともに花火が上がりくす玉が割れて鳩が飛び出し無事に命名式の式次第を終了した。

「SANTA EMBLY(サンタ エンブリー)」は86,500トンのバラ積み船で長さ229m、幅37m、深さ20mの大きな船である。鉱石とか穀物とかの輸送に活躍するようだ。

約1時間の行事で帰りも貸切バスで町内まで送っていただいた。しかも帰りはお土産までいただく至れり尽くせりのご招待であった。お土産までいただいて注文をつけるのは申し訳ないが、できるなら、折角の晴れの舞台にふさわしい音楽が欲しいと思った。生のブラスバンドでなくて、テープでもいいから音楽が欲しいと思った。今日の行事では国歌斉唱の時だけ音楽が流されたが、他に音楽がなかったのは寂しいと思った。「憧れのハワイ航路」なんかがBGMに流れれば最高だと思うけど、それは懐メロすぎるからダメという人もいるかもしれない。曲にはこだわらないが晴れ舞台に、会場の雰囲気を盛り上げる音楽が欲しいと思った。大島造船所の皆さん、お土産までもらってワガママ言ってすみません。そして、有難うございました。