ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

前川喜平氏のインタビュー記事を読んで

元文部科学事務次官前川喜平氏が安倍政権の教育行政の問題点について語っていた。その中で道徳の教科化という問題で安倍政権の「教育再生」は危険と語っていた。

 

『安倍政権は第1次のときからずっと「教育再生」という言葉を使っています。安倍政権は何を「再生」させるのかというと、戦前の「教育勅語」です。

戦前の修身科では、教育勅語の精神に立って「天皇のため、御国ために役に立つ人間」になれと教えていました。安倍政権の「道徳の教科科」とは、修身科の復活です。文部省の中でもそう考え、「道徳の教科科」はずっとタブー視されてきました。

 

森政権のときに、「道徳の教科化」が政策文書に盛り込まれましたが、森政権は短命で実現しませんでした。それを実行に移したのが第2次安倍政権です。

 

道徳の教科書は問題だらけです。例えば、「星野君の二塁打」という教材があります。この物語は、野球の試合でバントのサインを出した監督が、それを聞かずに二塁打を打った星野君を叱る、というものです。監督は星野君に「ぎせいの精神の分からない人間は、社会へ出たって、社会をよくすることなんか、とてもできないんだよ」と説教します。これは自分を犠牲にして、全体のために役に立てという考え方です。

 

結局、教育勅語の「克ク忠ニ克ク孝ニ」という、全体のために忠義を尽くせという教えです。「一旦緩急アレハ義勇公二奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」という、天皇陛下のお役に立つことが臣民の最高の美徳であるという考え方につながります。安倍政権の道徳の学習指導要領はかなりの憲法違反だと私は思っています。

 

道徳教育が成り立つとすれば、それは現行の日本国憲法が打ち出している価値である個人の尊厳、基本的人権の尊重、国民主権、自由と平等、平和主義と戦争放棄という考え方を教えるべきです』と前川氏は語っていた。

 

前川氏のインタビュー記事を読んでいて、私は前川氏の言う通りだと思った。

安倍首相は「外国では多くの国が時代に合わせて憲法を変えている。日本だけが何十年も憲法を固定化しているが、時代とともに変えるべきだ」と主張している。安倍首相のそのような主張を支持する人もいるが、安倍首相は現在の日本国憲法を破棄して戦前の大日本帝国憲法に戻そうとしていることが明白である。時代に合わなくなった部分を時代に合わせて修正すると言うのでなく、現在の日本国憲法を無しにして、旧憲法である大日本帝国憲法に戻そうとしている。

 

日本国憲法上、首相をしていけない人が日本国の首相をしている状況にある。だから、現行の日本国憲法が打ち出している価値である個人の尊厳、基本的人権の尊重、国民主権、自由と平等、平和主義と戦争放棄という考え方を疎かにするのだと思う。安倍首相のそのような考えは絶対阻止しなければと思う。日本国憲法にふさわしくない人物は日本国の政治の場から早急に退場してもらわなければいけないと強く思う。