ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

新型コロナウイルスの蔓延と検査体制

 

新型コロナウイルスが日本列島に蔓延している。政府は3月2日から全国一斉休校を要請した。現在、経済活動にもいろんなところで様々な影響が出てきている。

 

個人的にも5月に行う予定だった北海道旅行が中止になった。また6月に46年ぶりに予定していたアメリカ旅行も中止になりそうだ。今年の1番大きなイベントが中止になりガッカリしている。一日も早く収束してもらいたいと思う。

 

そのような状況の中、

「感染者もPCR検査も韓国は日本の17倍!韓国の感染者急増はPCR検査数の差?」

という次の記事をネットで見た。

「韓国は中国に次いで新型コロナウイルス感染者の数が多いが、韓国の防疫当局は「世界のどの国よりもPCR検査と診断を積極的にやっていることの証しである」と国民に説明している。感染者が急激に増えているのはそれだけ急速に感染者を探し出し、隠さず公開していることの表れでもある。

 

 韓国政府は感染の疑いのある人に対して管轄の保健所もしくは1339コールセンターに問い合わせてから選別診療所や国民安心病院に行くよう積極的に勧めている。選別診療所は全国に582か所、国民安心病院は204か所あって、インターネットに治療所や病院名及び場所と電話番号が載っている。

 

 韓国では当初、6時間以内に結果が確認できるPCR検査は疾病管理本部(国立仁川空港検疫所を含む)と全国18カ所の保健環境研究院のみで行われ、1日に処理できる件数約160件と限られていた。しかし、2月7日から感染検査の医療機関を増やし、現在では1日平均で1万件実施されている。

 

 実際に韓国では2月27日午前9時の時点でPCR検査を受けた人は4万4157人だったが、今日(3月5日午前9時)現在、その数は延べ14万775人に達している。その結果、3月5日午前9時基準で5776人の感染者が発見されている。ちなみに日本は厚生省の発表では、自治体の検査数を含めるとこれまで実施されたPCR検査は3月4日午後12時現在、延べ8111件。韓国の約17分の1に留まっている。

 

 また、韓国は自宅隔離者も2万810人(3月5日午前9時現在)で、2015年の中東呼吸器症候群(MERS)時の1万7000人を上回っている。隔離者1人につき公務員1人が対応することになっているが、集団感染を発生させている大邱市では公務員1人が7人の面倒を見ている状況にある。

 

 韓国は「疑わしき者は検査する」との方針から重症者に限らず、無症状者、軽症状者を発見し、同時に感染経路を辿って、接触者を探し出すことを優先させているが、感染が疑われた人が病院で検査を受けるまで平均3~4日かかっているためその間に家族や知人と接触すれば、1人あたり平均して3~4人の感染者が発見されるとしている。

 

 現状でも韓国の1日のPCR検査はどの国よりも多いが、月末には一日に1万3千から1万5千件と増える見通しだ。

 

 韓国の感染者の急増は世界でもトップレベルの優れた検査・診断能力と透明性を持った情報公開によるところが大きい。換言するならば、感染者が増大しているのはそれだけ速やかに感染者を探し出し、隠さず公開していることの証でもある。 

 

 感染者が増えれば増えるほど、国際社会は韓国を警戒し、韓国からの入国を禁止、制限する国が増え、すでにその数は実に94か国に上っているが、それでも、韓国は検査を徹底的に行い、何事も隠さず、透明性を持って現状を明かすことが韓国の国際的信用度を高めることになるとみている。

 

 日本は韓国より人口では約1億2600万人対約5100万人、対中貿易では3537億7千万ドル対2434億3千万ドル、中国人観光客の数では959万人対600万人と、どれをとっても韓国を上回っている。

 

 日本のほうが新型コロナウイルス発症源の中国との関係は密にもかかわらず、PCR検査は人口比率からしても韓国は1173人あたり1件なのに対して日本は6万7000人のうち1件しか検査ができてないのは問題だ。

 

 韓国の感染者(5776人)が日本(331人=クルーズ船の712人を除く)よりも17倍も多いのはどう考えても、PCR検査数の差によるところが大きいようだ。」

 

この記事を見て、なぜ、日本では韓国みたいに検査体制の拡充がなされないのかと疑問に思う。

「検査の本来の目的は「早期発見・早期治療」と「感染拡大の防止」であるべきだ。」と医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが言う。

 

「どんな病気であれ、まずは専門家である医師の診断や検査を受けて、できる限り早期に病気であるかそうでないかを診断する。その診断に基づいて治療方針を定め、治療をスタートするべきです。

 

 新型コロナウイルスについてもすべての疑わしい人が検査を受けて、それに基づいて自身の行動を決定すれば、治療にも感染拡大防止にも役立つ。疑わしい患者さんは医師の判断に従って全員を検査できるようにしていれば、感染の拡大をより小規模にできたはずです」

 

政府の専門家会議の尾身茂副座長は検査の目的について、「感染の可能性がある人を捉えるのではなく、重症化する可能性がある人を補足するためのもの」と説明し、「重症患者から検査する」との姿勢を示している。だから、「軽症者は病院に行かない方がいい」ということを勧めているが、それでいいのだろうかと疑問を持つ。

 

ナビタスクリニック理事長の久住英二さんは、何より検査の重要な意義は「パニックを防ぐ」ことだ。と話す。

現在、日本で行なっている検査体制について、「重症化のリスクのある人だけを検査すれば当然、結果は重症者の比率が高くなり、“感染すると非常に危険だ!”とのイメージが浸透します。新型肺炎は実際には8割の人が軽症ですむデータがある感染症なので、疑わしい人は全員検査して“軽症の人ばかりです”と一般市民を安心させることが最も大事です。検査をして不安を取り除かないと、いまのパニックは止められません」と言っている

 

私も「医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さん」や「ナビタスクリニック理事長の久住英二さん」の意見に賛成である。

 

しかし、日本ではなかなか検査体制の拡充が改善されない。その理由について、天下り問題とか利権の問題とかまた、検査をした結果、急増する患者数に対応した医療体制がとれないからなどの意見も聞かれるようになった。どれが真実かわからないし、どれも真実かもしれない。新型コロナウイルスの蔓延により国民に不安がはびこる状況になっているのは、質問を受け付けない記者会見や思い付きの決断によるところが大きい。政府にはしっかりした説明を望む