ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「老人ホーム」か「自宅介護」か

昨年11月、短期記憶に障害が見られる90歳の母を、もはや一人で住まわせるわけにはいかないということで同居して母の介護をすることにした。介護をすると言っても、ほとんどのことは自分一人で行うので、特別手がかかることはなかった。同居をしないといけないかなと思ったのは、お医者さんからの指摘がきっかけである。「薬の服用がほとんどできていない。毎日、朝と夕に薬を飲むことになっているがそれができないようだ。薬の管理をお願いしたい。」と病院の先生から注意を受けた。又、週二回通っているデイサービスの係りの方から「お迎えの時間に行っても外出の準備できていない時が多い。定刻に出発できるように管理をお願いします」という連絡をいただいた。これらのことが重なって母と同居することにした。私の介護の主な仕事は「薬の管理」と「デイサービスの日に出発時間に合わせて準備をさせること」の二つであった。

 

同居をすると言っても2世帯住宅なので食事は別々である。母は介護1の認定を受けてヘルパーさんに週3日炊事に来てもらっている。それと週4回宅配弁当が届く。それに週2回朝から夕方までデイサービスに通っている。

 

デイサービスに行かない日は、母は朝、ゆっくり起きて、仏様にお茶をあげて、朝食をとり、食事をしたらかたずけをして皿を洗う。あとは自分の好きなようにして1日を過ごす。散歩したいときは近所を一人で散歩する。木曜日は昼から生花教室にバスで通う。なんでも自分でしていた。夕食はヘルパーさんが作ってもらった料理か宅配弁当を温めて食べる。食事が済んだら自分で後片づけをしていた。食事の後片づけも掃除も散歩も日常生活に関わることに補助が必要なことはなかった。

週3回のヘルパーさんのお手伝いと週二回のデイサービスを受けながら問題なくこれまでやってきた。

 

しかし、1ヶ月ほど前からこのペースが少しずつ乱れてきた。まず、デイサービスに行かなくなった。前日の夜、「明日はデイサービスの日よ。朝、起こすから行こうね。」と言って就寝。当日朝、「今日はデイサービスサービスの日だから起きて準備しよう」と声をかけると、「今日は気分が優れない。身体がきついから休む。電話連絡しといて」と言って起きない。これが続いている。確かに元気がない。病院に行こうと言っても、「大丈夫、寝てれば治る」と言って行かない。熱はない。

 

 

毎朝、起きたら仏様にお茶をお供えするのが習慣だったが、これができなくなってきた。ヘルパーさんに食事を作ってもらって、時間が来たらそれを温めて食べていたけど、作ってもらっているのを忘れて近くのコンビニに弁当を買いに行く。また、食事しても後片付けをしないようになった。皿を洗わないようになった。台所に汚れ物を放置するようになった。食事の量は少ない。食事が終わったらまた休む。1日中寝ていることが多くなった。

 

 

そういう母を見ていて、気づいたら手伝いしながらやってきたが、私の仕事がだんだん忙しくなりつつある中、母がデイサービスにも行かないで寝たきりになったらどうしよう、昼間一人のまま残せないと思いケアマネジャーさんに相談したら、デイサービスを併設している老人ホームに入居したらどうだろうかと提案された。そこの老人ホームは二階が個室のホームで、1階がデイサービスをやっている施設である。一週間のうち月曜から金曜までをホームで過ごし、土日は自宅に帰るというようなこともできるし、平日誰も家にいなくなる時、介護付きホームであれば安心ですという話を聞き、私はそのようにしたいと思い母に話しをした。

 

母は「老人ホームに入ると行動を制限されるから嫌だ。行きたくない。あなたが仕事が忙しくなったら、自分でなんでも一人でやるから心配しないでいい。とにかく、老人ホームは行きたくない。」と言って聞かない。

 

確かに今までの母だったら昼間一人でも大丈夫であったが、認知症が進んできている今は、昼間でも一人は心配である。また食事も薬の管理も心配である。私は「老人ホームに入れば、集団行動だからある程度行動が制限されるのは仕方がない。しかし、老人ホームでは食事や薬の管理をしっかりやってもらえるから安心だし、快適。」と説得するが聞き入れない。

 

母は頑として「まだ、老人ホームに行きたくない」を繰り返す。私は、今回は母の意見を尊重することにした。

 

仕事で昼間自宅に母一人残すことになるが、その不安を解消するため短時間でもヘルパーさんに毎日来てもらって必要なサポートをしてもらうことにした。また、私も仕事をセーブして母の側に出来るだけいたいと思う。

 

「母の意見を尊重する」できることなら最後までそうしたいと思う。しかし、意見を尊重できない日が少しづつ迫ってきているような感じがする。