ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

再生エネルギーへの取り組み、中国と日本の違い

中国が2030年までに太陽光と風力による発電の設備容量を計12億キロワット以上に引き上げる新たな目標を表明した。

これは原発1200基相当の規模だそうだ。各国が温室効果ガスの排出量実質ゼロを掲げる中、中国は化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を加速し、自然エネルギーの利用で世界をリードする計画らしい。新目標は昨年12月中旬、周国家主席が国連の会議で表明した。

 

新華社電によると、12億キロワットは現有規模の3倍に近く、現在、米国にある全発電設備容量の規模に相当し、太陽光・風力発電の高速発展を実現すると明言している。

中国の太陽光・風力発電の設備容量はいずれも世界最大で、2020年末には計4億6千万キロワットになったといわれている。目標達成には、今後10年間で毎年7千万キロワット以上増やす必要がある。2030年までに10年間で1400万キロワット増やすとしている日本の50倍以上の増加ペースである。

 

今後10年間で日本の50倍以上の増加ペースで再生可能エネルギーに転換していくという中国の計画から中国の未来像が想像できるような感じがする。それにひきかえ日本は10年間で1400万キロワットだそうだ。50分の1ではいくらなんでも少なすぎるのではないかと日本の貧弱な未来像が心配になる。

 

日本のエネルギー政策は、どうなっているのだろうかと心配していたら、1月のニュース番組では、今年の冬は寒い。その上、多くの人がテレワークで家にいてガンガン暖房をかけているからだろうか、電力が全国的に逼迫している。今年の大寒波で「電力不足」のピンチを招いているというニュースが流れた。

 

今回の電力のひっ迫には大きく2つの要因がある。寒波による冷え込みで電力需要が増加したことに加えて、火力発電燃料のLNG液化天然ガスが不足したことである。

確かに今年の寒波は厳しいもので、電力需要は全国で増加している。しかし、最大の要因はLNGの不足の方だ。中国と韓国によるLNG輸入量の増加、産ガス国での生産設備トラブル、新型コロナ影響によるパナマ運河の通関手続き遅延などが絡み合って不足状態になったということであるが、冬の電力需要を正確に予測し備えていれば、ここまで不足することはなかったはず。調整の失敗と言われても仕方がないというような解説もあった。

 

その電力の逼迫を受けてNHKの番組では

『直接的な原因は暖房需要の高まりですが、それだけではありません。火力発電用のLNGの不足も原因でした。ではなぜLNG不足なのかというと、2020年秋以降、オーストラリアやノルウェーなどで相次いだ生産施設のトラブルや、パナマ運河でのLNG船の「渋滞」が挙げられます。渋滞は、新型コロナ対策で船に対する安全手順が増えているためだとも言われています。電力需給ひっ迫の原因としてはさらに、寒波で雪が降り続けば太陽光発電の発電量が低下することもあります。そして現在稼働している原発が2基にとどまっていることも影響しました。

今後、電力需給ひっ迫の検証が必要になってくるし、加えてこうしたぜい弱さを将来の教訓にしなければならないとも思います。その時に、一定の発電量を維持する安定的な電源として、改めて原子力をどう位置づけるかという議論も必要です。』

という番組を流しながら原発再稼働を後押ししていた。

 

私は、今さら原発を推進してどうするの?と驚いた。火力発電の燃料調達計画がうまくできなかったのだからそれをもっとうまくやればいいだけと思うが、今なお原子力村の人々が潤う独特のカラクリを維持しようとする利権集団がうごめいているのを感じた。

 

そういう折、元経産省官僚の古賀茂明氏の『原発推進の意図が透けて見える経産省の「サボり」と「ウソ」』というタイトルのコラムを読んだ。そのコラムには、経産省は電力逼迫(ひっぱく)のニュースを原発の再稼働や新設の世論づくりに好都合と考え、やるべき仕事をサボリ、ウソの情報を流していると書かれていた。

「安全、クリーン、安い」というウソを並べて普及した原発が「安全でもない、クリーンでもない、安くもない」と暴露されたのに、今なお原発再稼働や新設を主張している。原子力村からはもう二度と騙されないようにしなければと思う。