ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「STOP TOKYO OLYMPICS」を見る

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宇都宮けんじさんが発起人となり、5月5日(水)よりオンライン署名「人々の命と暮らしを守るために、東京五輪の開催中止を求めます」というキャンペーンが行われていたが署名が35万筆を超えたことをうけ、発起人である宇都宮けんじさんは2021年5月14日(金)、「東京五輪の開催中止を求める要望書」(English)をトーマス・バッハ国際オリンピック委員会IOC)会長、アンドリュー・パーソンズ国際パラリンピック委員会(IPC)会長、小池百合子東京都知事に提出したという記事を見た。

 

この署名キャンペーンは、オンライン署名サイトChange.org日本版開始以来最速のスピードで署名が集まったようだ。これは、コロナ禍に苦しむ人々の「東京五輪の開催を一刻も早く中止してほしい」という民意のあらわれと受け止め、まだ署名数が伸びている最中だが、一日も早い五輪開催中止判断を求めるため、最大の意思決定者であるIOCとIPC、そして開催都市である東京都に、「東京五輪の開催中止を求める要望書」を署名提出に先んじて提出したということであった。

 

合わせて、YouTube特別番組「STOP TOKYO OLYMPICS だから私は五輪中止を求めます」という番組の案内が書かれていた。この番組は、宇都宮けんじさんが本署名に賛同された各界の方々をゲストに招いて、なぜ東京五輪の開催中止を求めるのか各界の方々の意見を聞く対談番組である。

“国内外のさまざまな立場の話が聞けて、いろいろ考えさせられる内容で面白かった”“前向きな発想や建設的な対話が詰まっていた”といったご感想をいただいております。ぜひご覧くださいと番組の案内には書かれてあった。興味を惹かれたので私も番組を拝見した。

 

最初のゲストの方は都内の病院に勤める看護士さんであった。ゲストの看護士の方は「昨年の3月からコロナの対応に追われ、少しも気の抜けない感染対策をしながら患者さんの医療業務をおこなってきた。毎日毎日、日常生活ではなく非日常の生活を走り続けている。いつ終わるかわからない戦いが続いている。早く患者さんに日常生活を取り戻してもらうために今はワクチンに取り組んでいる。オリンピックが行われる7月はまだまだワクチン接種に追われているだろう。毎日毎日コロナとの戦いを必死に行っている医療現場からは、今以上の不安要因を増すオリンピック開催は考えられないと意見を述べておられた。

 

二番目のゲストの方はラッパーのダースレイダーさんである。ダースレイダーさんのキャンペーンに対するキャッチフレーズは「“始まったらやめられない”をやめることから始めましょう」である。

ダースレイダーさんの話は「東京五輪中止祭り」を始めましょうという大変愉快な話であった。「オリンピック開催派は“オリンピックは楽しい、オリンピックは感動、オリンピックはお祭り”というイメージを押し付けてくる。反対に、オリンピック中止派は“コロナだから今は我慢、辛い、暗い”というイメージを植え付けられている。そのような二極対立に持ち込まれている。これを変えていこう。東京五輪は中止した方が楽しい。中止した方が面白い。東京五輪を止めたら日本はすごいと私は思う。東京五輪を止めて、今逼迫している医療体制に全精力を集中して、ワクチン接種に全力で取り組んでいこう。そうした後にできるコロナを克服した世界がどんなに素晴らしいかを語ろう。アスリートも音楽家も役者も市井の人々も全ての人々が笑顔を取り戻すための第一歩は東京五輪の中止からすべてが始まる。そのお祭りをみんなで始めよう。オリンピック憲章が主張している人権を尊重する、多様性を尊重するそのような社会を実現するには東京五輪を中止することが1番の正解であるということを語ろう。

そもそも、東京五輪は欺瞞の塊である。今、コロナを乗り越えれば東京五輪はできると言っているが、2年前、東京五輪の最も大きな障壁は暑さ対策であった。東京の夏は暑い。しかし、その暑さ対策は何もできてない。2年前、窓辺に朝顔を植えると言っていた。頭に載せる日傘を配ると言っていた。2年前にマラソンだけは札幌に変えた。2年前、東京湾の海は汚染していると言っていた。2年前、聖火台をどこに置くのかという議論をしていた。コロナ以前から東京五輪には様々な問題が山積していた。暑さ対策のため、外国選手団は日本で合宿をして暑さに慣れてからオリンピックの本番に臨むように対策した。しかし、コロナで合宿ができなくなった。暑さ対策の根本問題が解決していないのだから東京五輪はコロナに関係なくそもそもできない。東京五輪を止めることで日常生活を早く取り戻すことができる。東京五輪を止めることで早くお祭りが始まるよ。さあみんなでお祭りを始めようと訴えていた。

コロナのことを考えるとついつい考え方が悲愴感に包まれてしまう。つい考え方が暗くなってしまう。どういう場合にもお祭りのエネルギーを自分の力にしていくダースレイダーさんの考え方は素晴らしいと思った。そして、大変参考になった。

また、ダースレイダーが言うように東京五輪が中止できれば日本社会が大きく変わる。日本社会のこれまでのあり方が大きく変わるきっかけになると思った。東京五輪中止祭りをもっともっと盛り上げていきたいと思う。