毎日毎日、雨の日が続いていたが、今日は久しぶりに晴れるようだ。運動を兼ねてウオーキングに出かけることにした。コースはいつもの香焼総合公園散策コースである。
ウオーキングを始めてすぐに海辺に出る。海を右手に見ながら、意識的に背筋を伸ばして胸を張って歩く。しばらく室内に閉じこもっていたからだろうか背中が丸まって姿勢が悪くなっているようだ。広い海を見ながら背筋を伸ばして歩くのは気持ちがいい。
香焼総合公園に入ったらパンパン草が繁茂していた。子供の頃、輪を作った片手にこの葉を乗せて強く叩き、パンという破裂音を楽しんだ植物である。子供の頃はパンパン草と呼んでいた。以前、グーグルレンズで検索して、この葉がカラムシという名前であることを知った。カラムシはしつこい雑草として嫌われているが、茎の皮から採れる繊維は麻などと同じく非常に丈夫らしい。古代日本ではこのカラムシからさまざまな行程を経て繊維をつくっていたそうだ。「日本書紀」持統天皇7年(693年)条には栽培を奨励すべき草木の一つとしてカラムシがあげられているということであった。
花を探しながら歩いていくがなかなか花が見つからない。そういう中、白い花が目に入った。愛らしい可憐な花である。名前がわからないのでグーグルレンズで検索するとヒメジョオンと表示された。ヒメジョオンはキク科ムカシヨモギ属の植物で背の高さが30〜150cmにもなる、白い花を咲かせる越年草である。同種のハルジオンとともに道端によく見かける植物と書かれていた。ヒメジョオンは北アメリカ原産で日本には明治時代に観葉植物として導入された。愛らしい可憐な花であるが、現在では全国に広がり、在来種の植物の生育を邪魔する可能性がある要注意外来生物に指定されている。
ヒメジョオンのあと、花を探すがなかなか見つからない。周りは草木ばかりで花は見かけない。同じような草が続くのでグーグルレンズで検索する。この植物はヒメムカシヨモギと表示された。これはキク科イズハハコ族の2年草で道端によく見られる植物とあった。ヒメムカシヨモギもヒメジョオンと同じ北アメリカ原産で、明治時代に日本で確認された帰化植物である。
ツワブキが群生している場所を通る。ツワブキはキク科ツワブキ属に属する常緑多年草である。初冬に黄色い花を咲かせる。葉柄は食用になり、観賞用に庭園に植えられることも多い。和名ツワブキの由来は「ツヤのある葉を持ったフキ」から転じたという説があるようだ。
木々の間に伊王島教会を眺めながら緩やかな坂道を登っていく。ここの坂が総合公園コースの一番の難所である。ステイホームでさらにぜい肉がついた身体が重い。この坂をもっと軽快に上れるように(若い時は走って上っても苦にならなかった)、もっともっとスリムにならないといけないと実感する。この坂を上れば芝生広場に着く。「芝生広場にはお花が待っているぞ」と自分を励ましながら上っていく。
芝生広場に来るとツツジとアジサイがお出迎えである。ツツジはもはや終わっていると思っていたが、枯れた様子はない。ここのツツジは今が盛りである。アジサイは長崎市の市花である。この季節になると、例年「紫陽花まつり」が長崎市内で行われ、会場は賑わいを見せるのだが今年もコロナで中止と決まった。1日も早いコロナの収束を祈るばかりである。
香焼総合公園の野球場の横を通って公園を出る。ここまで時間がかかりすぎたので帰りは早足で先を急ぐ。そのままゴールまで脇目を振らず歩いていたが、歩道の横の斜面地にピンクの花が一輪咲いていた。思わず立ち止まって写真を一枚撮る。名前を知らないのでグーグルレンズで検索すると「サフランモドキ」と表示された。
サフランモドキはメキシコ・グアテマラが原産地で、江戸末期にパイナップルの栽培土に混入して持ち込まれたと言われている。現在、観賞用に広く栽培され花壇や鉢植えに用いられているようだ。
スタート時点は曇っていたが途中から日もさしてきた。太陽を浴びながらウオーキングはいつも気持ち良い。コロナで人混みの中には行けない。今日の2時間のウオーキング中、3人の人とすれ違った。3人の方は一人は釣り人、他の2人はウオーキングの方であった。お互い小さな声で「お早うございます」と声を交わして行き違う。お互いコロナを警戒しているのがよくわかる。ワクチン接種が完了するまで辛抱しなければと思う。わがまましないで耐えなければと思う。何もできないステイホームの毎日だが、ウオーキングすると知らない植物さんに会えるのが楽しい。ステイホームで何もできないなら、私のこと知ってよ私に話しかけてくれているようで楽しい。しばらくこの楽しみを味あいたい。