ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

五十肩に泣く

2021年9月頃より右肩が痛くなり、当時、整形外科で受診した。診断結果は肩関節周囲炎と言われた。肩関節周囲炎はいわゆる五十肩のことである。五十肩は、加齢により肩関節を構成する骨や筋肉などが変性し、肩関節の周囲の組織に炎症が起こり、肩関節の痛みと運動障害が現れる病気で、特に、関節の動きが固くなることが特徴である。患者さんは、50代を中心に40〜60歳の年齢層が80%を占めることから通称「50肩」と呼ばれている病気である。この病気は、症状が軽く、自然に治癒する場合もあるが、症状が重く、運動障害が長く続く場合もあるようだ。

痛みのある肩をほぐす運動をしていけば、痛みは自然に取れるでしょうと言われて、しばらく通院するように言われた。「わかりました。自宅で自分で運動しますから大丈夫ですと言って、自宅で運動をするようにした。実年齢は七十才代なのに五十肩と言われたということは、若く見られたということだから喜ぶべきことであると勝手に解釈して、五十肩も悪くないと最初は余裕で受け入れていた。しかし、痛みはなかなか治まらず、むしろ以前より痛みがひどくなることもあり、五十肩に泣かされながら不自由な生活を過ごしていた。

2022年2月、発症して5ヶ月が経過した。肩の痛みは全然治まることなく続き、何か前より痛みがひどくなったような気がしていた頃、新聞の投書欄に「五十肩に悩まされて」という投書が掲載された。その投書の内容は奥様の五十肩についてご主人が書かれたものであった。「家内が五十肩を患い、半年以上になるが、なかなか治らない。肩の痛みが続いている。五十肩は運動で肩の筋肉を柔らかくしていけば、そのうち痛みは取れていくという説明であったが、なかなか痛みは収まらない。そればかりか、痛みがますますひどくなっている感じがする。そういう中、肩腱板断裂症という病名を知った。肩腱板断裂症とは骨の使いすぎや外傷などにより肩甲骨と腕の骨をつなぐ板状の腱に断裂が起こり、肩の痛みと運動障害が現れる病気である。五十肩と言われて治療してきたがなかなか良くならないという人の中に、実は肩腱板断裂症であった人もいるという説明を見て、もしかしたら、家内の病気は五十肩ではなく、肩腱板断裂症ではないかと疑い、先生に検査をしてくださいとお願いした。検査をしたところ、まさに肩腱板断裂症であった。現在、入院して手術を受け、回復中である。五十肩から解放される日は近い」という投書であった。この記事を読んで、私も長いこと痛みが続いているがこれは五十肩ではなく肩腱板断裂症ではないかと疑って、かかりつけの整形外科の先生に検査をしてくださいとお願いした。

先生に肩腱板断裂症のことを話したら、先生も痛みが長く続くことから念の為MRI検査をしましょうということになった。レントゲン検査では骨の異常を発見することはできるが、筋肉や筋などは見ることができない。MRI検査では肩腱板などの筋肉や筋も見ることができるらしい。MRI検査は強力な磁石と電波を使って、磁場を発生させて行う検査である。強力な磁場が発生しているトンネルの中で、一定の周波数の電波を体に当て、体の内部の断面をさまざまな方向から画像にする検査である。
MRI検査は約30分ほどの検査である。MRI検査自体は痛みを伴う検査ではないが、検査中に体を動かすと画質が落ちるので出来る限り同じ姿勢を保ち、体を動かさないようにと注意を受けた。この同じ姿勢を保つことが私にとっては耐えきれない苦痛を伴うものであった。右肩が痛いため右手が思うように動かない。様々な姿勢で検査が行われるが右手を上げたり下げたりまた捻ったりして姿勢を作るが何をしても痛い。ことに右肩が痛いため、右肩を下にして横になることができない状態なのに、撮影のため右肩を下にして横になってその姿勢を長く保つのは泣きたいくらい辛かった。何度も姿勢を変えて痛みをこらえてやっとの思いでMRI検査を終えた。検査を受けながら私の痛みは単なる五十肩ではなく、肩腱板断裂に間違いないと私は思った。

数日後、MRI検査の結果が出た。結果は「正常。肩腱板断裂症の症状なし」であった。肩腱板は切れていない、正常であるということであった。ということは私の現在の痛みは五十肩ということになる。五十肩はすぐに治る人もいるが、慢性になって治るには一年以上かかる人もいる。私は慢性になっているようだ。この痛みがこれからも続くかと思うと気分が落ち込む。先生からは肩腱板は断裂していなかったから良かったですねと言われたが、私は、断裂症だったら手術をしてこの痛みからすぐにでも解放されるという思いがあったので、痛みから解放されるチャンスを無くしたことで少しがっかりした。先生から、これからも根気強く運動療法などを続けていきましょうと励まされた。

7月になり、発症して10ヶ月目になるが右肩の痛みはまだ続いている。右手の可動範囲は少し改善したとはいえ、まだ完全ではない狭いままである。日常生活においては衣服の着脱に不自由が続く。痛みは少し薄れてきたと思うこともあるが、まだまだ痛みがひどくなることもある。痛みに波があるようだ。通院して電気治療とホットパック治療と運動療法を受けている。さらに自宅で簡単ストレッチをするように指導を受けた。今の状態から考えるとすぐに良くなることは考えにくい。この痛みとは長く付き合っていくしかないようだ。10ヶ月間苦痛に悩まされながら、なんとか克服しようとしてきたが、私の五十肩は頑固なようだ。治らないなら上手に付き合っていこうと腹を決めた。