ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

みさき観音詣で その2

 

青点をスタートして赤点までのコース。距離16.38km、最低高度5m、最高高度196m、総上昇高度230m、消費カロリー1,592kcal、天気晴れ、気温32度、湿度85%

野母崎の脇岬にある観音寺に参拝する観音寺詣では、江戸時代に盛んに行われた観音信仰である。長崎市内から観音寺までの28kmの道は御崎道(みさき道)と呼ばれる古道があった。今日の行程は6月14日付け「みさき観音詣で その1」の続きで、三和町蚊焼から観音寺までを歩く。昔の人が通った古道「みさき道」を歩いていきたいところであるが、古道は荒れて薮に覆われているところもあり夏場は大変という話を聞き、今回は歩きやすい道を選んで歩くことにした。

 

今日の集合場所は三和町体育館駐車場である。三和町体育館の敷地の一角に道塚が一本置かれている。これはみさき道の道標である。200年前は、このような道標が片道28kmのみさき道に50本設置されていたらしいが、現在はこの道標を含め11本が現存しているそうだ。この道標は道路工事のためここに移設されたようだ。道標の文字は解読不能である。

 

三和町蚊焼より古道「みさき道」は山の中に入って行くが、古道は荒れているということで、それを避けて自転車道を歩いて行く。自転車道は舗装されて歩きやすいし、さらに緑陰に覆われているので暑さを感じない。時折吹く風が心地よい。長崎野母崎自転車道は片道21kmのサイクリング道路である。途中には何ヶ所か休憩場所も設けてある。ここまで来る間に自転車を一台だけ見かけた。水分補給しながら休憩する。

 

自転車道と山道が交差している場所の一角に「みさき道」の道標が立っている。面面には「御崎ヨリ二里」裏面には「長崎ヨリ五里」と記されている。側面には文政七年十一月と掘られている。文政七年は西暦1824年である。

 

緑陰に覆われた自転車道を進んできたが、これから先は海岸線を進む。海岸に近づくと目の前に軍艦島が見えてきた。さらに進むと野母崎の蒲鉾屋さんの直売所がみえてきた。このお店は、メンバーお勧めのお店である。メンバーに誘われて揚げたての蒲鉾をいただく。確かにメンバーがお勧めするだけのことはある。本当に美味しい。かまぼこに元気を貰って再び歩き始める。

 

長崎市恐竜博物館の前を通る。恐竜博物館は恐竜がお出迎えをしてくれる。今日は先を急ぐので立ち寄らないで通過する。緑陰に覆われた自転車道と違って遮るものがない歩道を灼熱の太陽を浴びながら歩いて行く。まさに酷暑の苦行である。

 

海の方を見ると、脇岬海水浴場が見えてきた。さらに、山の方を見ると遠見山が目の前に見えてきた。白い砂浜と青い海を見ると泳ぎたい、海に入りたいと言う気持ちになるが、海水浴場と遠見山が間近に見えたら観音寺は近い。道草しないで進む。

 

脇岬海水浴場を横目に見ながら進んでいくと観音寺前というバス停を発見。この角を曲がるとそこから一直線に参道が続く。観音寺はまだ見えないが観音寺は間近である。

 

そして、いよいよ観音寺の石の門が見えてきた。眼鏡橋の石橋の技法で作られたという石門を持つ観音寺は平安時代に起源を持つ古刹である。石門を潜って階段を進むと、寺院内に仏敵が入り込むのを防ぐ守護神である仁王像が厳しい表情で両脇に立って迎えてくれる。

 

江戸時代に再建されたという観音堂へ参拝する。この観音堂の中にご本尊である千手十一面観世音菩薩像が安置されている。観音寺のご本尊は1000年前に建立され、以来日本の人々だけでなく中国の人々の信仰にも支えられ、人々に慈悲の眼差しを向けて多くの信者の声に耳を傾けて寄り添ってこられた菩薩である。昔から18日がご開帳の日と決められている。今日は18日でなく、ご尊顔を拝することはできない。御簾を挟んでの参拝であった。

 今回のみさき観音詣では、できるだけ歩き易い道、できるだけアップダウンの少ない道など条件の良い道を選んでの参拝であった。所要時間は休憩を含め6時間であった。三和町から観音寺詣では今回が2回目であった。前回は山の中を通る「みさき道」コースで実施した。「みさき道」コースの所要時間は休憩を含め通常7時間であるが、私達は前回9時間を要してしまった。それで、今回は山歩きの「みさき道」を避けて、歩きやすい道を選択した。

 今回は、炎天下を6時間歩き続けて疲労困憊であったけど、やったと言う達成感が今ひとつ湧かない観音詣でであった。それは条件の良い道を通ったことによる物足りなさであった。観音寺詣では、やはり、山の中を通る「みさき道」経由で行きたいという思いが残った。次回機会があったら、昔の人が通った古道「みさき道」を歩きたいと思った。