米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、軟弱地盤の発覚に伴って防衛省が申請した設計変更を承認するよう国が県に「是正指示」を出したのは違法だと県が訴えた訴訟で、最高裁第一小法廷(岡正晶裁判長)は4日、県の上告を棄却する判決を言い渡した。裁判官5人全員一致の判断で、県の敗訴が確定した。
兵庫県明石市の前市長・泉房穂氏は今回の「沖縄県敗訴確定、最高裁判決」について「〝裁判〟といっても、これは〝政治〟そのものである。最高裁の裁判官を決めるのは、ときの政権であり、政権が許容できる範囲の裁判官しか今は選ばれていない。そのため、政権が許容できない判決が出ることはなく、結局は“政治”だ・・・」と自身の見解をX(旧ツイッター)で述べた。
沖縄に米軍基地が集中していて、世界で一番危険であると言われている米軍普天間飛行場を廃止すると言いながら、新しく沖縄に基地を作るというのは沖縄の基地負担率軽減に繋がらない。沖縄県民が辺野古基地建設に反対するのは当然である。それでも国は沖縄の民意を無視して辺野古基地建設に突き進んだ。ところが辺野古基地建設には大きな障害があることが発覚した。それは辺野古基地建設予定地が極端な軟弱地盤ということである。ここに基地を作るには水深70メートルの海底に7万本以上の杭を打ち込むなどの追加工事が必要だということが判明した。それで、県に設計変更が出された。玉城知事はその設計変更を認めなかったことが裁判で争われていた。辺野古基地建設予算は当初3500億円と言われていたが、この軟弱地盤の追加工事などで工事予算は約3倍の1兆円近くに跳ね上がっている。沖縄県の試算では1兆円では足らず2兆円を超えるという試算も出されている。沖縄の基地負担率を解決しないでいいのか、また、できるかどうかもわからない基地建設に無尽蔵にお金を注ぎ込んでいいのか、日本がお金持ちの国ならまだしも、30年も経済成長は停滞し、国民が物価高の低賃金に苦しんでいる時に軍事関係予算だけは、なん倍に膨れ上がろうが、何が何でも突き進む姿勢は、看過できない。予算の問題で考えても、辺野古基地建設は沖縄だけの問題でなく、日本全体の問題である。
昨年2022年は、沖縄日本復帰50周年であった。その復帰50周年の昨年4月に、沖縄人である目取真俊氏の「日本復帰50年というクソのような節目に沖縄で起こっていること」というタイトルのブログを見た。ブログには次のように書かれていた「沖縄が本土復帰を果たしてから50年の節目を迎えた。節目とは区切りを意味する。では、今回の本土復帰50年は一体、何の区切りなのだろう。沖縄の基地負担率は減るどころか増えている。沖縄県民が辺野古移設反対の民意を何度示そうとも、政府は無視を決め込んでいる。力で押し切ろうとする。沖縄経済は基地がないと回らないと思い込ませる。実際には基地の存在自体が経済成長を阻んでいるというのに、毎年のように振興費を減らしながら揺さぶってくる。金をやるから黙ってろよ、と国が言い続けている。黙りませんと言っても、無視し続ける。そして、節目にだけ本土の偉い人間がやってくる。寄り添う、と言ってみる。あるいは、沖縄の成長なくして、と言ってみる。言ってみるだけだ。そんな気はさらさらない。支持率の動向を気にしながら、どのように沖縄に押し付けるかを考える。押し付けないという選択肢はない。それなのに、節目とは何事か。ウクライナ侵攻後、核共有論や軍備増強の話が盛んだが、もし日本が狙われるとしたらアメリカ軍基地が多くある沖縄になる。なぜ、そのリスクを減らすとの話にはならないのだろう。節目を祝っている場合だろうか。クソのようなという言葉がふさわしい」
私は沖縄の怒りを、自分の怒りとして感じようと思う。司法に期待したが、泉氏が言う通り司法は政治に取り込まれている。政治で作られた問題は、政治で解決するしかない。残された道は選挙で自民党を政権の座から引きずりおろすしかない。なんとしても今の自民党政権を倒すしか道はないということがわかった。今の自民党の横暴な無策の政治に付き合っていると日本は間違いなく沈没する。自民党政権を倒すしか日本の発展はない。