ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

日中親善に関する発表会に参加して

 本年は、日中平和友好条約締結45周年及び長崎県日中親善協議会設立50周年にあたる。それを記念して、長崎県日中親善協議会主催で「日中親善のために私たちができること」というテーマの提言募集があった。私は、「日中友好の三つの石碑を訪ねて」(10月23日付け本ブログに掲載)という題で応募していたが、残念ながら私は選外となった。私は選外になったが、発表会の案内と立食パーティーの案内をいただいた。発表会では、最優秀賞及び優秀賞の表彰後、受賞者が提言を発表することになっている。私は受賞者の提言をぜひ聞きたいと思ったので発表会に出席することにした。また、発表会の後の立食パーティーでは受賞者と自由に歓談できるいい機会だと思い、それを楽しみに立食パーティーにも出席することにした。

発表会は来賓として「長崎総領事館 総領事 張 大興氏」をお迎えして盛大に行われた。発表会に先立ち、表彰式が行われ、最優秀賞2名及び優秀賞3名が発表され、表彰式が行われた。当初の表彰規定では、最優秀賞1名及び優秀賞3名であったが、最優秀賞は2名に増員されていた。最優秀賞が2名ということは、どちらの提言も内容が優れていて優劣を決することができないほど伯仲していたということだと理解した。受賞者5名のうち日本人は1名で中国人は4名であった。表彰式の後、5名の方が「日中親善のために私たちができること」というテーマで提言発表を行った。

5名の方の発表を聞いた。受賞した日本人の方は社会人で「日中親善は中国語学習から」というタイトルで長年にわたる中国語学習に触れ中国に対する思いを述べられていた。中国人受賞者4名の方はすべて大学生であった。そして4名の中国人大学生の発表はどれも日中親善友好に対する熱い思いを感じる発表であった。4名の中国人大学生は日中の長い歴史を深く理解していると思った。彼らは長い日中の歴史の中で日中両国が助けたり助けられたりしてきた歴史を語った。彼らが語る日中の歴史は決して後ろ向きのものではなかった。彼らは皆、日中親善友好を率先して行う意欲に溢れていた。その中で、現在の日中関係の現実にも触れ、私たちの間には心の壁があるとも言った。心の壁を取り払い、心の距離を縮めるために、日中の若者がさらに交流を深め日中両国の現実を正しく伝え合い、未来をともに創り出していく歩みを始めることは日中の若者の課題であり、使命であると語っていた。会場には若者の情熱が溢れていた。

 発表後、張 大興総領事よりご挨拶と講評があった。張総領事は受賞された方にお祝いを述べられた後、講評を行い次のように述べられた。「受賞された方の提言は立派なものでした。しかし、受賞できなかった提言の中にもいいものがいくつもありました。私は応募提言を全部読みました。受賞されなかった提言の中で目に留めた一つは、〇〇さんが書いた『日中友好の三つの石碑を訪ねて』でした。私は日本人だけでなく、中国人大学生にも三つの石碑を訪ねてもらいたいと思いました。次に、〇〇さんが書いた『日本人教師の派遣再開を』という提言でした。〇〇さんは日本の国語の先生で、若い時、中国に日本語教師として派遣され赴任されたことがあると書かれていました。その制度は今は中断していますが、〇〇先生は日中親善友好のためにその再開を希望するという提言でした。検討に値すると思いました。今回の発表会では4名の中国人大学生が受賞しました。次回は、日本人大学生が多数参加することを希望します」などと好評を述べられていた。
 私の「日中友好の三つの石碑を訪ねて」は受賞こそできなかったが、張総領事に講評で取り上げていただき、お褒めをいただいて満足である。講評をお聞きして、ますます日中友好のために地道に取り組んでいかなければと思った。また『日本人教師の派遣再開を』の提言は私の高校時代の恩師の提言であった。恩師は、現在齢90にならんとしていることから渾身の力を振り絞って書かれた提言であろうと思った。張総領事の講評を通じて、恩師の日中友好に対する熱い思いを知った。また、日本人学生の参加が少ないことが気になった。これからの日中友好は日中双方の若者が担って築いていかなければならない。私も総領事と同じように日本人学生の参加を期待したいと思った。

 発表会が終わって立食パーティーになった。張総領事の音頭で乾杯をして各テーブルで話の輪ができ、それぞれのテーブルで話が盛り上がっていた。私は得意の?中国語を駆使して中国語による会話を試みようとしたが、全く中国語がスムーズに出てこない。受賞した中国人大学生と中国語で話をしようと思うが、「あなたはいつ日本に来ましたか?」「あなたは大学で何を学んでいますか?」「あなたはどこの出身ですか?」「あなたはどうして日本語を勉強しよと思ったのですか?」いろんな質問が日本語で出てくるが中国語が出てこない。中国人大学生が一生懸命私の中国語を聞き取ろうとするが、発音が悪いのか伝わらない。中国人大学生が私のことを慮って、流暢な日本語に切り替えてくれて日本語会話は成り立つが、中国語会話は全く成り立たない。中国語を足掛け7年やっているが、私の中国語のレベルがどういうものかはっきりわかった。

 私は7年も中国語を勉強してきて何も話せないことに驚いた。少しは話せると思っていたのに、少しも役に立たないことにがっかりした。この調子では、何年経っても上達しないと思った。今回の発表会に参加して有意義であったことの一つは、自分自身の中国語のレベルの認識が正確にできたことである。がっかりしている暇はない。先は短い。頑張りたいと思う。