ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

上脇博之氏の話を聞く

上脇博之氏は神戸学院大学法学部教授で、政治資金パーティの裏金問題を告発した方である。上脇氏が番組に出演して裏金問題について語っているのを聞いた。司会者の質問に答える形で裏金問題を語っておられたが、大変参考になった。その一部を記す。

 「国会で裏金問題が追及されていますが感想はいかがですか?」
 裏金問題は民主主義の否定につながる重大問題ですが、政治家の話を聞いていると、裏金問題について本当に反省しているのだろうかと思えるほど、受け取りに深刻さが感じられない。政治資金規正法においては、政治に関わるお金の出し入れは全てを明らかにしなさいと命じているにも関わらず、裏金として受け取っていたということは、国民に隠していたということで民主主義に対する背信行為です。それを、裏金の定義がよくわかっていなかったとか言ってごまかしていますが、裏金を受け取った側は全員国会議員やめてもらわなければいけないのに、今のところやめたのは一人しかいない。国民の前に全て明らかにしておかなければならないものを隠して、追求に対しても言い逃ればかりで国民の方を向いていないように思います。これでは真剣に取り組んでいるとはとても思えません。

「検察の捜査についてはどう思いますか?」
 特捜部の追及も最後まで届かない感じで腰砕けの感じがします。国会議員は二人を起訴する方針とか言われていますが、本当の巨悪は何もお咎めなしです。巨悪を安心して眠らせてはいけませんね。最新の世論調査では、納得できないという国民の声が多いという結果が出てました。国民はとても納得できないでしょう。再捜査をして欲しいと思います。

「上脇氏は法学者ですが、現在の政治資金規正法についてはどう思いますか?」
 政治資金規正法ザル法です。改正しなければいけないところがいろいろあります。そのザル法である政治資金規正法にさえも引っかかってしまうくらいの違法なことをやっていたということが今回の一番の問題点だと思います。裏金問題は、何年間も自民党の中で行われてきたことであり、今の自民党政治家は法律を守る気そのものがなかったということです。議員の中には政策活動費と一緒だから記載しないでいいと思っていたという人もいますが、本当にそう思っているのであれば、すぐに国会議員をやめなさいと言いたい。派閥から政策活動費を議員が貰うことは禁止されていることです。バレないし、バレても大丈夫という気持ちだったのではないでしょうか。

「裏金問題は政治に金がかかるから起きると言われますがどう思いますか?」
 今の自民党はバブル時代よりもお金を持っています。バブル時代の1980年代後半の政治資金収支報告書と最近の政治資金収支報告書を比べて見ると、今の方がバブルの時よりも政治資金をたくさん集めています。何でそうなるかというと、自民党は皆さんの税金から政党助成金として年間150億円とか170億円くらいをもらっています。皆さんの税金のおかげで自民党の政治資金はバブル状態です。自民党は潤っているのです。自民党は政治パーティをするとお金が集まってくる。企業献金は集まってくる。さらに皆さんの税金から150億円以上入ってくるということで政治資金は潤沢にあります。
 裏金問題は政治に金がかかるから起きるのではなく、裏金問題は自民党に潤沢にお金があるから発生した事件です。皆さんの家庭で考えてみてください。もし生活費がギリギリの生活をしているときには、お金は大事に使いましょうとなるでしょう。ギリギリの時には好きなように自由に使っていいお金などはありません。ところが、自民党は企業からお金がたくさん集まる、パーティすればお金は集まる、国から政党助成金として150億円以上もらえるから資金はバブル状態で余裕があるのです。金が余ってしょうがないという状態で、そういう金銭感覚の人たちが裏金をつくったのです。裏金というのは潤沢にお金があるところでしか発生しないのです。

「政治にはお金がかかるのだという人がいますがその意見についてどう思いますか?」
 既存の政党については、ふざけるなと言いたいです。既存の政党は政治パーティで資金を集め、企業献金で寄付を集め、政党助成金も貰うことができる。もちろん議員報酬などは世界的にみても高額な報酬です。しかし、無所属の一般人が選挙に出たいと思っても、高額な選挙資金が準備できないために選挙に参加できないという問題があります。改善しなければならない選挙制度の問題点です。政治にはお金がかかるというよりは、既存政党が選挙戦を有利にするためにお金をかけるような仕組みを作ってきたと言えるかもしれません。

 上脇氏の話を聞いて、自民党政治がいかに金権体質であるかがよくわかった。話を聞きながら、自民党の政治は国民の生活などには関心がなく、ただお金の方だけを見て政治をしているのだと思った。裏金とか闇献金とか様々なお金が自由にもらえるこんな美味しい仕事はどこにもない。だから、政治家は決してやめれないと裏金に関わった自民党政治家はみんな思っているのだろう。責任も取らず言い逃れに終始しているが、全員責任をとって辞めてもらいたいと強く思う。国民は政治家は信用できないと思っている。日本の政治をここまでダメにした罪は重い。辞職した後、自分の政治姿勢を心から反省して、心を入れ替えて政治家をやりたいと思うなら、再度立候補して、初心に戻ってやり直したらいい。責任もとらない覚悟もない口先だけの政治家はいらない。口先だけの謝罪会見ではとても納得できない。