ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

長崎ランタンフェスティバル

2024年長崎ランタンフェスティバルが始まった。このお祭りは、長崎新地中華街の人たちが中国の旧正月を祝う行事「春節祭」として、もともと新地中華街で行われていたが、平成6年から「長崎ランタンフェスティバル」として長崎市内一円に規模を拡大し、長崎の冬を彩る一大風物詩として行われるようになったものである。ここ数年はコロナ禍によって中止になったり、規模縮小されたりしていたが、今年は4年ぶりに本格開催となった。

「2024年長崎ランタンフェスティバル」は2月9日から17日間にわたり開催され、期間中は中国の「元宵節」にあわせてランタン(中国提灯)を飾る風習に習い、長崎市新地中華街はもとより、市内中心部が約1万5000個にも及ぶ 極彩色のランタンなどで彩られる新年を祝う楽しいお祭りである。私も春節の雰囲気を味合いたいと思いランタンの街へ繰り出した。

 

まず、眼鏡橋が架かる中島川へ行く。中島川公園は黄色のランタンがいくつも飾られ、それが川面に映り幻想的な風景を創り出している。黄色のランタンを眺めながら川に沿って遊歩道を歩くだけで楽しくなる。

 

 

中島川に沿って歩いていくと橋の上に大きなオブジェが飾られて煌々と輝いている。近づいてみると金魚のオブジェである。これは「金玉満堂(きんぎょくまんどう)」という豊かな才能と学識に満ちているという意味のオブジェらしい。街中には様々なオブジェが置かれている。全て新年にふさわしい幸福につながる縁起ものばかりである。オブジェを見ていくだけでも幸せになりそうである。

 

次に中央公園へ行く。公園に入るとすぐに月の女神と兎のオブジェが聳えている。これは女神と共に月に行ったウサギが天命によって薬を杵でついて作っている図であるらしい。

 

公園には、今年は辰年で雲に乗って天に登る雲龍が飾られている。また近くには虎が空に向かって吼えると新しい風が起こるという英雄が時期を得て飛躍する年を表す「虎啸生風(フショオシェンフン)」のオブジェがおかれている。

 

福と寿の字を配して、幸せと長寿を祈った中国の吉祥図である「福寿双全」のオブジェである。魚は裕福という意味を表し、寿という字は幸福と繁栄を表している

 

謹賀新年のごあいさつのオブジェの隣に「織姫と彦星」の話を元にしたオブジェが飾られてある。日本の七夕の話と違って、中国の話では、織姫と彦星には子供がいるという設定になっている。彦星さんは子供と一緒に織姫に会いに行っているようだ。

 

新地中華街近くの銅座側へ行く。同座川のランタンはピンクである。ピンクは桃の色である。古来より中国では、桃は邪なものを避ける植物として考えられてきた。だから桃色は瑞祥である。

 

港公園会場にやってきた。ここにもさまざまなオブジェが飾られている。公園の入口に置かれていたのは「金牛」のオブジェである。このオブジェは激流を登っていく鯉と最難関を突破した貴人が富の象徴である金牛に乗っている吉祥図である。

 

左:状元及第(じょうげんきゅうだい)    右:五鼠運財(ごそうんざい)

状元及第の状元は中国官僚登用試験の科挙制度で主席合格者に与えられる称号であり、龍に乗っている姿は出世の象徴とされる。子の誕生を喜び出世を願うオブジェである。

中国ではネズミはお金を運んでくるという吉祥語があり、また五匹のネズミは無数と同音となり、無限にお金を運んでくるという意味を表わすことになる。

 

九鯉化龍(ジュリィファーロン)

2024年度ランタンフェスティバルのメインオブジェは、高さ10mの「九鯉化龍」である。鯉は川を上り、滝を登って行く。三段にも連なった高い滝を登りきった鯉は、登龍門を登って龍になる。まさに飛躍の年を願い、「出世」や「進歩」を象徴するオブジェである。

 ランタンフェスティバルの雰囲気を味わおうと思って出かけてきた。オブジェを見るだけでなく、各会場では中国由来の龍踊りやエイサーや変面ショーなども行われている。それを見るのも楽しい。子供の歓声が聞こえる。子供も大人もみんな、街が優しい光に包まれたランタンフェスティバルを楽しんでいる。やはり賑わいの町中を歩くのは楽しい。今年は国内では能登半島地震が起こり、世界では戦争が続いている。町中を歩いて平和で災害のないことがいかに有難いことかと改めて感じる。町を歩きながら、この平和だけは手放さないようにしなければと思った。