ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

女神大橋ウオーキング

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S点をスタートして神崎神社一の鳥居までの往復コース。距離3.8km、最低高度4m、最高高度76m、累計高度188m、消費カロリー572cal、気温20度、湿度50%

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女神大橋 橋長1289m、桁下海面高65m、主塔高170m、完成2005年12月

気持ちのいい天気に誘われて女神大橋ウオーキングをしようと思い女神大橋に来た。女神大橋は長崎港の入口に架かる橋長1289mの日本で6番目に長い斜張橋である。しかし、長いといっても、橋を往復しても2.6kmほどしかならないので運動としては少し物足りない。対岸を見ると神崎神社が見える。そうだ神崎神社の一の鳥居まで行くと上り下りが加わるのでいい運動になるはずだ。神崎神社一の鳥居を目標にウオーキングを開始する。

 

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因みに神崎神社は古くから祀られている神社である。昔は山頂の神崎神社に直接通じる道はなかった。岸沿いの道か船でしか参拝できなかった。だから、船着き場のすぐ前に一の鳥居が建ち、上るにつれて二の鳥居三の鳥居が続く。そして山頂に神崎神社の祠が祀られている。しかし、2005年に女神大橋が完成し、女神大橋から山頂の神崎神社に直接行けるようになった。だから、今では一の鳥居を通ってお参りする人はほとんどいない。                                                                                                              

 

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駐車場に車を停めて、ウオーキングをスタートする。今日は天気も良いし、風は穏やかだから、ウオーキングしている人も多いだろうと思いマスクを着用して歩き始めるが誰もいない。右手に長崎港内を見ながら進む。主塔の高さ170mを見上げるとその巨大さを実感する。橋の関係者から「4本の主塔を地球に垂直に建てるためには誤差は1ミリも許されない」という話を聞いて凄いと思ったことがある。海からの優しい風が気持ち良い。

 

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右手に長崎市内が見えてくる。長崎港は奥深い入り江になっている。長崎が天然の良港であることを発見したのはポルトガル人である。その当時、ポルトガル人もこの景色を見ながら船を進めたのだろう。1571年、ポルトガル人の進言によって長崎に新しく港が開かれた。そして今年は長崎港開港450周年になる。対岸の遊休地には太陽光発電のパネルが設置されている。時代によって景色が変わっていく。

 

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女神大橋を渡りきって橋を降りると、神崎神社への案内板を発見。そして、女神大橋の下をくぐって少し階段を上ると山頂の神崎神社に到着する。

 

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神崎神社に参拝する。看板に書かれているように神崎神社は通称金貸稲荷と呼ばれている。神崎神社ではお賽銭をあげた後、自分が上げたお賽銭の一部を借りて、それを元手に商売をすると成功間違いなしと言われている。成功してお礼参りにまた参拝する習わしがある。ここは金運アップのパワースポットらしい。

 

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神崎神社からの眺めは絶景である。どこまでも青い空、どこまでも青い海、それに山の緑そして女神大橋の薄い水色、すべてが美しいと思う。しかも優しい太陽の光と春のそよ風に包まれて心が解放される気分である。

 

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左:不動明王                                                  右:白鬚大明神

神崎神社の神域にはたくさんの祠が祀られている。また不動明王や白髭大明神なども鎮座されている。不動明王大日如来の化身と言われる仏教の信仰対象であるのでここでは古くから神仏習合がなされていたのだと思う。白髭大明神は滋賀県にある白髭神社の別称で航海の神様でもある。

 

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神崎神社に参拝した後、小さな山道をどんどん下っていく。急な下り坂になっていて落ち葉などで滑りやすいところもある。帰りの上りはきついだろうなと思いながらも海岸の一の鳥居まで下りていく。途中きれいな花を見つける。薬草講座で学んだ草花もあったが名前は出てこない。次回の薬草講座で質問しようと思い写真に撮る。

 

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神崎神社一の鳥居に到着。一の鳥居から女神大橋と対岸を眺める。対岸の地名は「女神」である。女神大橋はその地名から命名されたものである。そして、女神の対岸である神崎神社側は男神になる。男神・女神の地名の由来は、2世紀頃神功皇后がこの地を見て陰陽二つの神を感じ、男神・女神として対岸二箇所に神様を祀ったのが始まりとされる。

 

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一の鳥居から石作りの立派な参道が階段状に続いている。そして一の鳥居、ニノ鳥居、三の鳥居とこれも立派な石造りの鳥居が続く。作られた年代を見ると一の鳥居は大正6年、二の鳥居は大正12年、三の鳥居は昭和3年とある。また寄進者の住所に上海の地名もある。鳥居から歴史を感じる。

 

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神崎神社を楽しんだ後、帰りは右手に港外を見ながら女神大橋を歩いていく。遠くに三菱重工香焼工場が見える。先月、三菱重工が香焼工場を売却するというニュースがあった。三菱重工が造船から撤退など長崎人にとって想像もできないことであった。時代が変わっているというのを実感する。下五島航路の貨物船が通る。女神大橋は国際観光船が通行できるように、巨大な国際観光船の高さを考慮して設計されたということであった。

 

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女神大橋を渡って女神に近づくと、魚見岳台場が見えてきた。魚見岳台場は鎖国時代に外国船の警備体制強化政策として構築された要塞である。ここでは大砲を設置して警戒にあたっていた。
長崎は海の玄関口である。「港あり、異国の船をここに招きて、自由なる町をひらきぬ、歴史と詩情のまち長崎・・・・・・」という詩碑が旧県立図書館の入口に立っている。長崎の港口に大砲を設置する時代は二度とないようにしたい。いつまでも世界に開かれた都市、ナガサキであってほしいと切実に思いながら、ウオーキングを終了する。