秋晴れに誘われてサイクリングを楽しむことにした。サイクリングを安全に楽しむには専用道路に限るということで「長崎野母崎自転車道」を走ることにした。「長崎野母崎自転車道」は片道21kmの自転車専用道路である。このサイクリング道路を走ったのは昨年6月だから約1年半ぶりの再挑戦である。昨年は往復に4時間30分かかった。その記録への挑戦も楽しみである。


ここから自転車道は始まる。隣は中学校である。中学校の体育館からは体育の授業中らしく中学生の元気な声が聞こえてくる。出発点の写真を撮っていたら、サイクリング道路をウオーキングしてきた女性グループが通ったので「どこまで行きましたか」と声をかけると「平山まで行ってきました」という返事であった。往復6kmの森林浴を楽しんだようだ。
このサイクリング道路は森林浴を楽しみながら移り変わる山並みや海景色も楽しめる変化に富んだコースである。女性グループの「気をつけて頑張って」と言う激励を受けてスタートする。


サイクリング道路は道幅3mの舗装道路である。スタート地点近辺はよく清掃されていて、落ち葉も少なく走りやすい。ときおり日差しを受けながら快走する。


2km地点を過ぎると森を抜けて青空が見えてきた。今日は快晴である。空気が美味い。右手には標高350mの城山が見えてきた。この山には室町時代に深堀氏によって俵石城というお城が作られ、以来城山と呼ばれている。


3km、4kmと快走していたら、突然、ショベルカーが道路を塞いでいる。通れない。確かにこの手前で、工事中「自転車は押して通って下さい」という貼り紙を見たがこれでは押しても通れない。困ったと思っていたら、係員が来て自転車を担いで通してくれた。助かった。


サイクリング道路のフェンスに「ワナ注意」の貼り紙発見。この辺りの森林の中には動物用の罠が仕掛けられているようだ。クマのワナだったら怖いと思うが、九州にはクマはいないので心配なさそう。「イノシシ」か「シカ」のワナだと思う。


7km地点を過ぎるとガードレールが自転車のデザインになった。このようなところにも気を配っているのが嬉しい。走るのがなお楽しくなる。


これから徐々に高度を上げていく。つづら折りのゆるやかな上り坂が続く。緩やかといっても上りは辛い。いつのまにか、息をつく音が聞こえるようになってきた。押して行くと楽だけど、前回も頑張って上ったことを考えると最後まで頑張ろうとペタルを踏み続けた。


7kmからの辛い上り坂を耐えて上ってきて11kmに到達。11.8km地点に休憩所がある。あともう少しで休憩所と思うと元気が出る。そして、ようやく休憩所に到着。ここで水分補給をしながら小休止をとる。


11.8km地点の休憩所を出発すると道は落ち葉道になる。落ち葉が降り積もっている部分は砂浜みたいにペタルが重くなり走りにくい。出来るだけ落ち葉部分を避けて進む。しばらく行くと右手の視界が開けて青い海が見えてきた。青い海の先に香焼と伊王島を結ぶ白い伊王島大橋が見える。


さらに進んでいくと、高島と軍艦島(端島)が見えてくる。この地域の海底の下に良質の石炭の層が見つかり、両島とも石炭で大変賑やった島である。島には高層アパートが立ち並び最盛期には両島に22,000人の人が住んでいた。特に軍艦島は5,000人が住み人口密度は世界一であったと言われている。しかし、石炭産業終焉とともに軍艦島は無人島になってしまった。


アップダウンを繰り返しながら進む。サイクリング道路は落ち葉がない場所は少なくなってきた。落ち葉だけでなく木ノ実や枝や木切れに注意して進む。乗り上げるとタイヤがスリップする。林の切れ目から遠くに八郎岳が見える。出発点はあの麓である。ずいぶん来たことがわかる。ゴール地点までもう一息だ。


ゴール目指して、一目散に行きたいところだが、倒木が道を妨げる。9月の台風による被害だろうか?根こそぎ倒れ、ガードレールは曲がってしまっている。倒木の下を自転車を傾けて通る。さらに進んでいくと遠くに雲仙普賢岳がが見えてきた。普賢岳が見えたらゴールはすぐだ。


長崎野母崎自転車道ゴールに到着。長崎から21km、往路所要時間3時間10分であった。ここで20分休憩を取って復路を走る。往路は全体的に上りコースで辛かったけど、復路は逆に下りが多くなるので楽しみである。往路の遅れを取り戻そうと頑張ったが復路所要時間2時間であった。往復合計5時間10分の成績であった。前回は往復合計4時間30分であったから40分の遅れであった。
成績的に残念であったが、秋晴れのサイクリングは心地良い汗をかきとても気持ちよかった。このコースは自然を満喫できるのが良い。良い気分転換になった。機会を見てまた来たい。