ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「新しい戦前にさせない」を見る

「新しい戦前にさせない」第一回シンポジウムで、ノーモア沖縄戦の会共同代表の山城博治さんの話「南西諸島からの告発」を聞いた。

アメリカのバイデン政権が誕生して以来、台湾有事、中国脅威、南西諸島有事の話が叫ばれ始めた。バイデン大統領が登場した2021年1月から、日本が戦争に動員されるシステムができあがってきている。しかし、今までとは全く様相が違う。このような国家の一大事の問題であるのに、今までなら、当然国会の中で大論争が起こるであろうし、また、国会の外でも、何十万人という抗議のデモが行われると思うが、全く何も起こらない。そのまま閣議決定されて、さらに敵基地攻撃能力まで持ち出されている。

 全国で怒りの声が上がらないのはなぜか。それは中国は怖い国、危ない国という“中国脅威論”のプロパガンダが功を奏し、国民の間に骨の髄まで染み込んでいるのだと思う。しかし、戦場になると名指しされた私たち沖縄に住む人間は、たとえ日本国が日本国民が平和憲法をかなぐり捨てて戦争に走るとしても、絶対戦争反対を貫く。私たち沖縄に住む人間は一旦戦争が行われるとミサイルの餌食になることがわかりきっているのだから、断じて認めるわけにはいかない。私は、その沖縄の声を全国に届けたいと思って今日の会に参加した。

 昨年12月に安全保障3文書が閣議決定された。これは新たな沖縄戦の戦略そのものである。3文書の中には沖縄及び南西諸島のすべての島々にミサイル基地を置き、台湾有事にはそこから台湾、中国本土にミサイルを撃ち、その反撃でまた再び地獄と化すというシナリオが書かれている。だからそこに住む私たちは納得するわけにはいかない。

 ところが、日本政府はとんでもない巧妙な仕掛けをしてきた。安倍元首相は台湾有事は日本有事と言った。しかし、その後、日本有事の言葉を封印して、南西諸島、南西諸島という言葉を使い出した。安倍元首相は、台湾有事は日本に住む皆さんには関係ありません。台湾有事は南西諸島という地域の問題ですということを言い出した。本土に住む日本人の皆さんは直接関係ありませんということで国民の理解を得る囲い込みをしていった。

 しかし、台湾有事は本当に沖縄地域だけの問題なのだろうか?安倍元首相や日本政府が言っていることは全くのまやかしでしかない。安倍元首相は台湾有事は日米同盟の有事と言った。台湾有事というのは、そもそもアメリカのバイデン政権が作った陰謀である。台湾有事で戦争が煽られているが、これは日本政府が言い始めたのではない。アメリカが言い始めたことである。そのアメリカは台湾有事で、50万人のアメリカ軍と2〜3000の軍艦と数千機の戦闘機を派遣して、本当に戦闘に介入するだろうか?アメリカ軍は介入しない。これだけ戦争を煽っておいて、一旦戦火が開かれると、アメリカ軍は、影も形もない戦略をとろうとしている。その代わり、日本の自衛隊を沖縄の島々に張り付けて、台湾有事の火をつけたら、すぐに逃げて、後は日本の自衛隊にまかせるという戦略である。その結果、戦火の餌食になるのは自衛隊員であり沖縄県民である。アメリカの戦争に利用されるだけである。アメリカの戦争屋のバイデン大統領に利用されてはいけない。

 私が、なぜそのように考えるのかというと、2024年に嘉手納基地は閉鎖するというアメリカ軍の報告書があるからである。嘉手納基地はアメリカ軍の極東最大の基地である。それを閉鎖するため、嘉手納基地の全戦闘機をアメリカ本土に移転するという計画がある。嘉手納基地に戦闘機が一機もいない状態が2024年には現出すると言われている。これだけ、戦争を煽っておいて、これは何だと思う。嘉手納基地は中国本土に近すぎて脆弱すぎるからだそうだ。台湾有事で戦火が開かれると集中砲火を浴びて一機も残れないからだそうだ。嘉手納基地が近すぎて脆弱というのであれば、もっと中国に近い、宮古島石垣島与那国島はさらに危険ではないのか。そこに自衛隊を貼り付けていいのかと思う。これはアメリカのだましだと言うしかない。ふざけるなと言いたい。空軍ばかりではない。沖縄には海兵隊がいる。戦争が起これば真っ先に駆け付けるのが海兵隊である。その海兵隊も沖縄から撤退するという。沖縄には、現在1万人以上の海兵隊がいるが、今回、海兵隊を1800人だけ残して他をグアムとハワイに移動させると発表した。戦争は煽るけど、アメリカ自身は戦う意志はない。その代わり、日本にアメリカ製の武器を大量に買わせて、日本の自衛隊に戦争をさせる戦略である。

 九州から沖縄を経て台湾までの第一列島線という日米の防衛ラインがある。その第一列島線に沿って、中国軍は高性能のミサイル群を2000基ほどすでに配備を終わっている。これは西太平洋を航行するアメリカの空母艦隊を壊滅させる性能を持つ空母キラーミサイル群である。だから、アメリカ艦隊は沖縄近辺に近寄れないという実態があり、これを恐れてアメリカ軍は沖縄から逃げ出していると言われている。岸田首相の張り切りようを考えると、日米会談で、アメリカは参戦しないが日本は頑張ってくれと言われたに違いない。これが日米協約であり日米合意だと思う。

しかし、こんな馬鹿げた戦争に入ってゆくわけにはいかない。こんな馬鹿げた戦争に日本の若者を送り出して、ミサイルの餌食にするわけにはいかない。岸田首相に言いたい。1日も早く首相を辞めよ。お前みたいな人間は総理大臣になるべきではない。お前みたいな人間は総理大臣になっちゃいけない人間なのだ。

今、米国が仕組んでいる、日本と中国を戦争させて、それによって中国をロシアと同じように疲弊させ、それによってアメリカが未来永劫安泰になるという独善的なアメリカ本位の戦略に従うわけにいかない。全国の人たちと連帯してこの思いを貫きたい」という話であった。

山城博治さんは沖縄の現場を一番よく知っている人であり、山城さんの話は論理的でよく理解できた。私も山城さんと連帯してノーモア沖縄戦を必ずや達成したいと思う。山城さんは、岸田首相にすぐに総理大臣を辞めてもらいたいと言った。私もそう思う。国民がミサイルの餌食になる戦争にアメリカに言われたから、素直に従うその馬鹿さ加減に呆れてしまう。アメリカのためなら、日本国民の命などいくらでも差し出す人間が日本国の総理大臣であっていいはずがない。「戦争が廊下の奥に立っていた」という1939年(昭和14年)に作られた渡辺白泉の俳句がある。沖縄からの報告はまさにこの句を彷彿させるものであった。