ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

マイナンバーカードについて考える

 マイナンバーカードは国内に住む全ての人に割り当てた12桁のマイナンバー(個人番号)や氏名、顔写真などを載せたICチップ内蔵のカードで、身分証明や、オンラインで行政手続きをする際の本人確認などに使うとされているものである。政府は用途の拡大を進め、2024年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナカードに一本化するほか、24年度末までに運転免許証の機能も組み込む予定として、マイナンバーカードの普及を急いでいる。6月18日時点の交付枚数は9233万枚で、人口に対する交付率は約73%と言う発表されている。

 ところが、マイナンバーカード巡るトラブルが後を絶たない。マイナポイントを別人に付与したり、障害者手帳を別人にひもつけたり、マイナ保険証では別人の情報を誤登録したり、システム不具合で無保険者扱いで10割負担を強いられたり、また公金受取口座が全く他人の口座に登録されたり、コンビニ交付サービスでは別人の住民票が発行されたりのトラブル続きである。

 政府は6月21日、他人の情報がひも付けられるなど、マイナンバーカードを巡る問題に対応する省庁横断の「情報総点検本部」(本部・デジタル庁)を設けて、秋までにデータの総点検を終える考えを表明したが、国民の不信は募ったままである。
 そのような中、マイナンバーカード返納というニュースを見た。ニュースでは「マイナンバーカードのトラブルが相次いで発覚する中、カードを返納する人が増えている。交流サイト(SNS)では「返納運動」が話題に上がっている。政府はカードを「デジタル社会のパスポート」と位置付けるものの、個人情報の流出などを防ぐことができない政府への不信感が、返納に結び付いている形だ」と書かれていた。

 マイナンバーカードに保険証、免許証、銀行口座など様々な個人情報が紐つけされていくことを考えると個人情報の流出が怖い。これだけトラブルが続くのであれば、信用できないし、返納も考えなければいけないと思うが、これからのデジタル社会を考えた場合に、マイナンバーカードを無くしていいのだろうかと言う疑問もある。マイナンバカードを返納すると行政のサービスを受けられないなどの困るようなことが起こることはないか、またマイナンバカードを返納すると日本の行政のデジタル化に逆行するのではないかと思うとマイナンバーカードの返納を躊躇してしまう。

 そういう中、経済ジャーナリストの荻原博子さんがナンバーカードについて解説していた番組を拝見した。荻原さんは次のように話されていた。
マイナンバーとマイナンバーカードは全く別物です。マイナンバーは『社会保障と税の番号制度』によって作られたもので、すべての国民に『強制』された12桁の番号です。マイナンバーの目的は行政のデジタル化のために作られ、すでに今現在運用されています。そして、マイナンバーカードは『国民ID制度』によって作られたもので強制ではなく任意です。マイナンバーカードの目的は本人の証明と、個人情報の幅広い収集・提供です。マイナンバーカードを持つと便利ですよと言われていますが、マイナンバーカードは日本の行政のデジタル化のために作られたものではありませんし、マイナンバーとはマイナンバーカードは目的が全く違う別物です」
荻原さんの話を聞いて、マイナンバーカードは個人情報の流出につながる恐れがあり、困ったものだと思っていたが、しかし世の中はデジタル化が進み、行政のデジタル化を進めるためにはマイナンバカードが必要と言われたら持たざるを得ないし、どうすべきかを悩んでいたが、マイナンバーカードは行政のデジタル化には関係ないという話であった。デジタル化に関係する12桁のマイナンバー(個人番号)は、すでに国内に住む全ての人に割り当てられて、この管理については、国家が全責任を負うという形ですでに運用されていると言うことであった。
 しかし、マイナンバーカードは強制ではなく、任意によって加入するものであり、身分証明とか本人の利便性のために使われるものであると言うことであった。だから、身分証明用としては運転免許証で代用できるし、便利と言ってもコンビニで住民票が取れる程度の話である。単に利便性のためであったら、こんな危険なものを持つ必要はないと私も思う。だから、返納する人が増えているのだと納得した。マイナンバーカードに安全性の不安があり返納したという方の話を聞くと、不安が多いだけでなく、マイナンバーカードを利用するためのマイナポータルの利用規約も気になったと次のように話されていた。

 「その利用規約には、デジタル庁に対しいかなる責任も負担させないこと、内閣総理大臣に対して同意する事項がいくつもあること、金融機関に対して当該口座情報を紹介することについて同意すること、いつでも本利用規約を事前通告なしに改正することができること、システム利用者または他の第三者が被った損害について一切の責任を負わないことなどが書かれてあった」と語っていた。いわば、任意加入だからそれだけの覚悟をして参加してくださいと言う内容の規約であったようだ。
 しかし、任意加入と言っても保険証や運転免許証とリンクさせると言うのだから実質強制ではないかと思う。それでいて一切の責任を負わないと言うのは無責任過ぎると思う。便利だからぜひみなさん加入してくださいと言っておいて、デジタル庁は一切責任を持ちませんというこんな無責任なマイナンバーカードは、返納する方が出るのは当然だと思った。信用も信頼もできない危険なマイナンバーカードは要らないと思う。