毎日、体重測定をしている。保健師さんの指示通り、食事についても食べすぎないように注意してきた。その結果、保健師さんが予測した通り減量することができている。保健師さんの正確なカロリー計算には感心する。ただし、好物の食事など美味しいものが出されると、つい食事が進みカロリー取りすぎになってしまう。そういう時は、ウオーキングすると体重は増えないことが、ひと月半減量に取り組む中で、実感できた。ウオーキングした週は確実に減量効果が出ている。昨日も美味しいものを頂いたので、今日はその分ウオーキングして減量しようと思い早起きした。今日はカロリー消費が目的だから、坂道コースの善長谷教会へのウオーキングに取り組むことにした。
出発点の駐車場に車を置いて歩き始める。出発点は標高33mである。目的地の善長谷教会は標高223mだから高度差190mをこれから上っていく。スタートしてしばらく進むと海が見えてきた。対岸は私が住む香焼町である。今日の天気は快晴。朝が早いのでそんなに暑くはない。
景色を楽しみながら上っていくと分岐点に出た。まっすぐは海岸線に沿って進む道で、左は山の方に上っていく道である。案内標識を見ると左に行くと善長谷教会1.4kmと書かれている。案内に従い、左に折れて上っていく。
上り坂をゆっくり登っていくと「善長谷」というバス停発見。すこし進むと「善長谷教会」1kmという案内板が立っている。ここから、本通りから外れて山道に入って行くことになる。
山道と言っても、道路は舗装されていて快適に歩くことができる。日差しはどんどん強くなるが、緑のトンネルや山蔭で日差しが遮られ、直射日光を受けないで済むのは助かる。途中、畑仕事をしている人に、「何を作っているのですか?」と尋ねる。「野菜をいろいろ作っていますよ」という返事であった。「今から教会まで散歩に行ってきます」と言うと、「教会に着いたらいい景色のご褒美に会えますよ」と言われた。いい景色の褒美を楽しみに、頑張って上っていく。
善長谷教会に到着。正式名は「無原罪の聖母 カトリック善長谷教会」と言うらしい。
善長谷教会の案内によると、この地の歴史は文化元年(1804年)西彼杵郡三重郷より、隠れキリシタンであった6家族が旅芸人を装いこの地を訪れ、この地を信仰の隠れ家としたことに由来する。彼らは表向きは、当地のお寺の檀家となり、仏教徒として務めを果たしたが、彼らの信仰の形態は先祖から受け継いでいる隠れキリシタンの信仰を堅持していくことであった。
善長谷(ゼンチョウタニ)という名前の由来は諸説あるが、異教徒のことをラテン語で「ゼンチレス」、スペイン語で「ゼンチョ」と発音するからことから善長の語源が生まれたのではないかと考えられ、最初は仏教徒に対しての呼び名であったものが長い間に変遷して自分たちの住む地名になったのではないかと思われる
明治維新以降、信仰の自由が公認されると、それまで密かに信仰を守っていた当時の隠れキリシタンたちは宣教師のカトリック信仰への呼びかけに従いカトリックに改宗した
無原罪の聖マリアに奉献されている現在の聖堂は昭和27年5月3日に建立されたものである。
教会の横の階段に「ルルド」と書かれた案内矢印が立てられている。その矢印を頼りに細い道を進んでいくと。野外ミサの設備が整えられた場所に出た。祭壇の横に山水が溜まる小さな池が作られ、奥には無原罪の聖母マリア様が祭られている。ここが、善長谷教会のルルドである。
ご褒美のいい景色を楽しむ。庭から見る眺めは遮るものが何もない。庭から西を見ると高島が見える。その先には見えないけど、100kmほど先に五島列島がある。そして、その先は大海原の東シナ海で、東シナ海を渡り切ったら上海に着く。ご褒美のいい景色を見ていると希望が湧く。五島列島に行きたい。東シナ海を超えて上海に行きたい。さらに西安に行きたい。コロナの今、何もできないが、ここから海を眺めるとコロナ後の夢が浮かんでくる。
ご褒美のいい景色を堪能して帰路につく。帰りは下りで走るように下りていく。香焼町に戻り、今上った善長谷教会を新鮮な気持ちで見る。教会の十字架が遠くに見える。今日のウオーキングは楽しかった。ウオーキング後の体重測定も楽しみである。