2023年が開けた。元旦の天気は晴れというニュースを見て、初日の出を拝みに行くことを思い立った。海からの初日の出を見るために、私が住む香焼町から車で20分ほど離れた川原大池公園に行った。ここは初日の出のスポットであり、日の出30分前には多くの人がカメラを構えて初日の出を待ち受けていた。海からの日の出を見ると言っても20キロ先に天草があり日の出はその天草の島陰から昇ることになる。今日の天気は上空は雲一つない晴天であるが水平線のあたりは雲が出ていて島陰ははっきりしない。日の出時刻になって少しづつ明るくなっていくが、雲に遮られて初日の出は見られない。日の出時刻から待つこと約10分、静かな海面を日の光が照らし始めた。雲のカーテンを越えての初日の出である。穏やかな天気の中いつものように太陽が昇る。このような日がいつまでも続いてほしいと願う。
海岸線で初日の出を見た後、川原大池を巡る遊歩道をウオーキングすることにした。ここは春夏秋冬いつ訪れても楽しい場所である。小鳥の声を聞きながらウオーキングを始める。
森の小道みたいな緩やかな坂道を上っていくと、木の上にフクロウの置物が置かれている。遠くから見ると本物のフクロウみたいに見えるが、何度も通っていて、知ってるので驚かない。もし、いつもいるフクロウが飛んでいって見えなくなっていたらそれは驚くに違いない。
大池の周りを歩いて来たら、龍のモニュメントが置かれている場所にきた。この川原大池には約1000年前、城主の娘「阿池姫(おちひめ)」が龍になってこの地の守護神になったという言い伝えがあり、現在まで、池のほとりに池の御前神社を建立し祀られている。この龍のモニュメントはその言い伝えを表している。
三和記念公園という案内板に沿って進むと広い公園に出る。入り口には、三人の子どもたちが仲良く遊んでいる様子のモニュメントが置かれている。この三和町は三つの町が統合してできた町である。統合を推進した方の願いがそのまま現れたモニュメントである。この地はもともと川原大池の横にある川原小池と呼ばれる池だったようだ。
さらに進むと池の色が黒くなって来た。上を見上げると黒い雨雲が大きくなっている。さっきまで青空だったのに大丈夫かなと一瞬思う。池の周りには椿の赤い花が目立つようになって来た。
30mほど急坂を上っていくと展望台へ着く。展望台へ上っても周りの木が大きくなっているので景色は一部しか見えない。展望台の壁面には枇杷と水仙のレリーフが飾られている。枇杷と水仙が三和町の名産品に違いない。
展望台の後は隣の高台に設けられている東屋展望台へ行く。しかし、ここも見晴らしはあまり良くない。高台へ上ってきた道を、今度はどんどん下りていく。この公園は単なる平地の公園でなく小高い丘を上手に使って、体力的にも景色的にも工夫されているところが良い。
どんどん下って池のほとりの出るとウッドデッキで造られた池の観察場所に行く。水が多い時期は橋の下は水で溢れているが、今、橋の下に水はまったくない。季節によって深度もずいぶん違うようだ。
城主の娘、阿池姫が龍になり、守護神としてこの地を守るということが代々言い伝えられ、龍をお祀りしている場所が池の御前神社である。ここの神社の鳥居は海へ向けて建てられている。正月の初詣での参拝を、地元の方はここ池の御前神社で行うのであろう。神社はきれいに掃除され、準備万端整っている。
神社に参拝して、またウオーキングを再開する。ウッドデッキの遊歩道を進む。初日の出の撮影には多くの方が集まっていたが、ウオーキングする人はほとんどいない。このウッドデッキを歩くときの楽しい感触を1人で独占状態だが申し訳ない感じである。
川原大池公園の南端部分はキャンプ場になっている。このキャンプ場では八張のテントが設営できるようになっているが、1月1日現在、三つのテントが設営がされていた。この時期のキャンプというのは寒くないのだろうかと心配になるが、新年を自炊しながらテントで迎えるのもまた趣があっていいのかもしれないと想像する。機会があったらやってみたい気もする。
公園の東側は海岸で、夏には多くの海水浴客で賑わう海水浴場である。この川原大池公園はウオーキングはもちろんキャンプも海水浴も花見も月見もいろんな楽しみ方ができる公園である。私は、今年もたくさんウオーキングしたいと思う。元旦に心ゆくまでのんびりウオーキングできたのは嬉しい。2023年もどうか平和な一年であって欲しいと思う。
