ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

村上誠一郎氏、総務相抜擢

 自民党の石破新総裁が内閣の人事を固め、発表した。その中に、期待できる人材が入閣していたので驚いた。それは総務大臣に起用された愛媛2区選出の村上誠一郎氏である。

 村上誠一郎氏は、自民党内において、昔から論理的におかしいことはおかしいと言ってきた方である。当時、安倍一強の自民党内にあっても、安倍政治の間違いについて、下記のように歯に衣を着せず批判し続けてきた。
 「安倍晋三元首相が進めてきた集団的自衛権閣議決定立憲主義の否定であり憲法違反である。財政を悪化させ、及び金融政策についても失敗した。さらに、外交においては、日本を取り巻く日露、日中、日韓及び対北朝鮮との外交関係はいずれも最悪の結果となった。また、森友・加計・桜を見る会については権力を私的に乱用し、追及されると嘘をつき続け、森友問題では赤木さんの自死まで招くこととなった。また、公務員法を改悪し、官僚が正論・本音を言えない状況をつくり、官僚制度の崩壊を招くことになった。縁故人事を推し進め自民党内が河合夫妻化して、忖度政治家、忖度官僚の体制を作った。また、伊藤詩織さん事件では犯人逮捕を妨げた警察官僚を警察庁長官に任命するなど法治国家としてあり得ない人事を行った。学術会議会員の任命拒否は学問の自由の妨害であり、統一教会問題は反社集団と密接な関係を結び選挙を手伝わせてきたことが明確である。さらに裏金問題は、自民党政治への信頼を大きく失墜させた」と批判していた。
 村上誠一郎氏は安倍晋三氏の在職中から、「一人良識派」を名乗り、このまま堕落した政治を続けると、自民党は崩壊すると「政治の堕落、自民の崩壊」という言葉で警告をし続けてきた。

 その村上誠一郎氏が、安倍晋三元首相の国葬の出席について、記者から質問されたとき「最初から国葬に反対だし、出るつもりもない」と述べ、欠席する考えを明らかにし、さらに、「安倍氏政権運営が財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判した。安倍晋三元首相を国賊と発言したことが、自民党内で問題とされ、自民党の役職停止1年の処分を受けた。

 安倍晋三元首相は、まさに日本国をここまで崩壊させた張本人であり、国賊以外の何者でもないと思うし、国賊と呼ばれて当然だと私は思う。しかし、自民党はそのような正論を吐いた村上誠一郎氏を処分して、国賊である安倍晋三元首相を国葬までしてしまった。私は自民党は本当に狂っていると思う。

 村上誠一郎氏は、石橋湛山の「政治家に望む」という手記を座右の名にしていると語っていた。そこには次のように書かれている。
「私が今の政治家を見て一番痛感するのは、『自分』が欠けているという点である。『自分』とは自らの信念だ 。自分の信じるところに従って行動するという大事な点を忘れ、まるで他人の道具に成り下がってしまっている人が多い。政治の堕落と言われるものの大部分はここに起因すると思う。
 政治家にはいろいろなタイプの人がいるが、最もつまらないタイプは、自分の考えを持たない政治家だ。金を集めることが上手で、また大勢の子分を抱えているというだけで、有力な政治家となっている人が多いが、これは本当の政治家とは言えない。
 政治家が自分の信念を持たなくなった理由はいろいろあろうが、要するに、選挙に勝つためとか、良い地位を得るとか、あまり目先のことばかりに気を取られすぎているからではないだろうか。派閥のためにのみ動き、自分の親分の言うことには盲従するというように、今の人たちはあまりに弱すぎる。
 政治家に大事なことは、まず自分に忠実であること、自分を偽らないことである。また、卑しくも、政治家になったからには、自分の利益とか、選挙区の世話よりも、まず国家・国民の利益を念頭に置いて考え、行動してほしい。国民も言論機関も、このような政治家を育て上げることに、もっと強い関心を寄せてほしい。」

 村上誠一郎氏は石橋湛山の意志を継いでいる方である。このような政治家が日本の政界にたくさん誕生すれば良いのにと思う。自民党内では冷遇され誰にも相手にされず、孤立した状態に置かれていた村上誠一郎氏が、今回、突然抜擢されたのは、自民党は変わったと思わせるためのカムフラージュのために抜擢されたのではないかと思ったりもする。
 確かに、村上誠一郎氏が一人だけでは国は動かせないし、動かない。石橋湛山の志を継ぐ政治家をたくさん育てなければと思う。現在の日本の政界には、目先の自分の利益にばかり目を向けている政治家が多すぎる。石橋湛山が望む政治家とは程遠い政治家が多すぎる。しかし、それを嘆いても始まらない。石橋湛山の志を継ぐ政治家を育てる取り組みを皆で始めなければと思う。