フジテレビの上席解説委員である平井文夫氏による「安倍晋三さんのどこが国葬に値しない政治家なのか誰か教えてくれ」という記事を読んだ。平井氏は、岸田首相が8/31の会見で、国葬に閣議決定した理由について述べた以下の4点で十分安倍氏は国葬に値すると国葬を支持している。因みに理由の4点は以下の通りである。
(1)8年8ヶ月間首相を務めた
(2)民主主義の根幹である選挙演説中に銃撃された
(3)外交、経済など歴史に残る業績を残した
(4)世界各国から敬意と弔意が示され多数の弔問の希望が来ている
さらに、「世論調査で国葬への反対が増えている理由は安倍氏の旧統一教会への関与らしいのだが、これを追及する立憲の幹部も関与していた。安倍氏だけが関与していたわけではない。霊感商法や高額のお布施は問題だが、多額の寄付を要求する宗教団体も他にもたくさんある。政治と宗教の問題を国会でじっくり話し合うのはいいと思うが、今回の国葬と結びつけるのはおかしいのではないか。そして、「モリカケサクラ」の問題が未解明だとして、「安倍氏の評価はまだ定まっていないから国葬はダメだ」と言う人もいるが、安倍氏の業績とモリカケサクラを同列に扱うのはさすがに無理があると思う。国葬は、その時の政府が責任を持って判断し決定したことであり、弔意を持って見送りたいという人たちが参加するんだから、それを邪魔する必要はない。立憲も共産も国葬に来てもいいし来なくてもいい。でも邪魔するのはやめてくれ。一部メディアも含めみなさん、どうかもう少し静かに安倍さんを送りませんか」と結んでいた。
次に、ジャーナリストの青沼陽一郎氏が書いた「統一教会の集中相談期間に総裁称賛の安倍氏『国葬』、この矛盾が通るのか」という記事も読んだ。
記事の内容は以下の通りである。
「安倍晋三元首相は、昨年2021年9月、統一教会の創始者である文鮮明の妻で、現在の教団の総裁である韓鶴子が主宰する関連団体「天宙平和連合」のイベントにビデオメッセージを送って、こう明言していた。『韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します』これを見た山上徹也容疑者(41)が、安倍氏を襲う決意をしたとされる。山上容疑者の母親が統一教会にのめり込み、多額の献金をして家庭が崩壊。教団への恨みが、広告塔を演じている安倍氏への殺意に置き換わっていく。
統一教会の被害者救済に取り組んできた全国霊感商法対策弁護士連絡会が公表しているところによると、統計を取りはじめた1987年から昨年までの34年間の被害件数は3万4537件、被害総額は1237億3357万5406円にのぼるなど日本国民から財産を根こそぎ巻き上げていく実態が暴かれている。
政府も「旧統一教会問題関係省庁連絡会議」を設け、初会合を8月18日に開いた。統一教会のいわゆる霊感商法などの不法行為の相談や被害者救済に、関係省庁が連携して取り組むためのもので、2022年9月を「相談集中強化期間」として集中的に相談を受け付けることを決めた。
どうして統一教会という加害者団体の首領を称賛する首相経験者を「国葬」にしなければならないのか、理解に苦しむ。教団と政治の関係でもっとも糾弾されるべきは安倍氏ではないか。いうなれば、日本国民を食い物にする日本の敵に味方して、宣伝にも使われたはずの人物に、国費を注ぎ込んで葬式を出す意味がわからない。安倍氏が自任したような保守政治家なら、それこそ「売国奴」と罵っているはずだ。しかも、その「国葬」が日本武道館で行われている最中に都内で、「相談集中強化期間」として政府が被害相談を受け付けていることになると、こんな間抜けな話もない」と結ばれていた。
安倍氏が銃撃を受け亡くなったが、選挙期間中であったことから、政治テロだ、民主主義の破壊だと言われ、そのようなことは絶対に許されないという空気が国を覆った。そのような時に国葬が早々と内閣によって決められたが、時間が経つと、安倍氏銃撃は政治テロや民主主義の破壊といったものではなく、山上容疑者という統一教会の被害者による復讐劇ということがわかってきた。
安倍氏は反社会的集団としての統一教会と深い結びつきがあり、2005年に統一教会の霊感商法などの不法な行為に対する捜査が着手される時、それに立ち塞がって捜査を妨害したのは当時の安倍官房長官であったという。2006年の自民党総裁選挙の自民党員選挙においては統一教会員が多数自民党員に登録して安倍氏に投票し、安倍氏の総裁選に貢献し第一次安倍内閣が誕生したと言われている。また、第二次安倍内閣では2013年に北村経夫氏の参議院選挙では安倍氏が統一教会票を割り振り当選に結びつけたと言われている。また2015年に統一教会の名称変更の依頼を受け承認したのではないかと言われている。そのようなさまざまな問題が取り沙汰されている中、国葬はあり得ないと思う。故人に哀悼の意を表するのはやぶさかではないが、国葬は意味が違う。青沼氏が安倍氏を売国奴と呼んでいたが、自分の利益のためなら、国民が財産を詐取されても搾取されても見逃す政治家は売国奴と言われても仕方ないだろう。売国奴の国葬はあり得ない話である。