ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

韓国語の先生の話を聞く

 私は韓国語を勉強している。私の韓国語の先生は中国人の女性の方である。私の韓国語の先生は、中国の朝鮮族出身の方だから、中国語はもちろん韓国語も自由に話すことができる。それに日本語も上手に話すので3か国語を自由に操ることができる方である。

 その先生が、韓国に旅行に行きたいと思い、ビザ取得のため福岡の韓国領事館を訪れた時のことを話してくれた。ビザ申請は事前予約が必要で、その予約した日時に、領事館を訪れ、ビザ申請の書類を提出したところ、書類に在留資格認定証の番号の記載漏れがあったらしい。在留資格認定証は持参していたので、番号を記入して提出しようとしたら、「今回はミスがあったので、もう受理できません。再度予約を取ってその時に提出してください」と受け取りを拒否され、2週間後に予約をして、もう一度行くことになった。

 2週間後福岡の韓国領事館に行き申請手続きをしたら、細かいことを指摘されて受理されなかった。3回目福岡領事館に行き申請手続きをしたら、申請書類にミスはなかったが、ご主人の収入証明を提出するよう新たに指示されて受理されなかったと言う話であった。そして、韓国旅行はもう諦めたという話をされていた。

 日本はいま、外国から多くの観光客を迎えて観光地は賑わっている。インバウンドの拡大は重要経済政策となっている。しかし、韓国領事館の対応は韓国旅行をしたいという外国人に対して、入国させないための嫌がらせをしているように見えた。

 私は、先生の話を聞きながら、どうしてこんな理不尽と思えるような対応をするのだろうととても不思議に思った。中国人の朝鮮族の方は、元々は朝鮮に縁がある人であるから、外国人と言っても韓国に近い方であり、より親近感を感じて歓迎されるべきだろうと私は思った。

 しかし、現実は違うようだ。朝鮮半島北朝鮮と韓国に三十八度線で分断されている。朝鮮戦争当時、中国は北朝鮮に加担して韓国と戦った過去がある。だから、中国人は北朝鮮に行くことは容易だけど韓国に行くのは難しいのかなと思ったりもする。しかし、朝鮮戦争時は、確かに中国は北朝鮮に味方して韓国と戦った過去があるが、1992年8月、中国と韓国は国交を樹立している。それまで、中国は朝鮮戦争をともに戦った北朝鮮との関係を重視し、一方の韓国は同盟国・アメリカとの連携を深めていたが、冷戦終結をきっかけに、両国は関係強化にかじを切った。そして、国交樹立後、中韓の経済的な関係は深まり、両国の貿易総額はこの30年でおよそ50倍へと拡大している。

 なのに、この対応は何だろうと思い、どうしてこんなことをするのでしょうかと尋ねたら、先生は、これは朝鮮族への差別意識もあるような話をしていた。それは、朝鮮族は、中国の少数民族の中でも漢民族との関係が良好なため、中国びいきの韓国人みたいに見られることが原因にあるようだ。

 先生は話を続けた。「韓国は、中国と国交を樹立していても、アメリカとの同盟関係が一番で、中国についてはいつも警戒をしている。日本も同じです。なんでもアメリカの言う通りに行動し、中国を警戒する。今、日本では、中国が戦争を仕掛けていると騒がれている。中国が日本を攻撃するから、そのため、軍備を増強して備えなければならないと軍備増強に力を入れている。そんなことを中国がするわけないでしょうと私は思うけど、日本では中国との戦争準備が着々と進んでいる。〇〇さん、私の考えについてどう思いますか?」と先生が私に質問する。「私も先生と同じ意見です」と答えた。

「日本は何でもアメリカの言いなりです。日本はアメリカしか見ていない。本当にそれでいいんですか?」と先生は言う。

 私は、先生の意見が間違っていると思えば、「先生の意見は間違っています」と言えるが、先生の意見が正しいと思うから反論できなかった。外国の人から自国の政治を批判されて反論できないのは悔しいし、情けないと思った。そして民主主義国家にいながら、間違った政治が堂々と進められているのにそれを止めることもできず、傍観せざるを得ないことに非常に恥ずかしい思いを持った。外国の人から、日本は民主主義国家ですか独裁国家ですか?と問われている感じがした。
「台湾有事は日本有事」と言う馬鹿な政治家がいたし、今もいる。「そんなに戦争したかったらお前が真っ先に戦争に行け。ついでにお前の妻も娘も従軍看護婦として前線に連れて行け」と言いたい。もちろん、何があっても、日中再戦など決してあってはならないし、そんなことは絶対させない。

 外国の方から日本の政治について批判をされた時に、反論できないことほど情けないことはない。立場の違いがあるから批判されることがあっても、堂々と反論できれば問題はないが、反論できないのは明らかに間違った政治をしているからである。そのような間違った政治を、早く何としても止めなければと思った。