新聞で下記の記事を見た
「米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が発表した世界の旅行先として「2026年に行くべき52カ所」で、日本から17番目に長崎、46番目に沖縄が紹介された。長崎について、市中心部に原爆が投下された広島と異なり、原爆が当初の目標を外れたため、市街地の中心部が被害を免れたと説明。「核拡散の脅威が世界中に広がる中、旅行者が訪れる強い理由がある」と評価した。また、グラバー園や樹齢800年のクスノキ、老舗のカステラ店などグルメも紹介している。
長崎市の鈴木史朗市長は7日、「記事で紹介している長崎の具体的な観光スポットの多くは、原爆が当初の目標どおり中心市街地へ投下されていたら、今、存在していなかったかもしれません。今回の記事で長崎が選ばれたことは、核拡散の脅威が広がる中、魅力的な観光スポットが平和の尊さを世界へ向けて強く訴えかけているからにほかなりません。これからも、まちの魅力と被爆の実相について国内外に向けて積極的に発信していきたい」とコメントを発表した。
沖縄については、19年に火災で焼失した首里城が復元工事を経て、今秋に公開が予定されている点などに注目した」とあった。
私は、ニューヨーク・タイムズが毎年、「行くべき52ヶ所」を発表していることを知らなかった。日本は2019年に瀬戸内の島々が選ばれて以来、毎年、1〜2県が選ばれているようだ。因みに2024年には山口、2025年には富山、大阪が選ばれている。
2026年の長崎の選択理由として、長崎については、市中心部に原爆が投下された広島と異なり、原爆が当初の目標を外れたため、市街地の中心部が被害を免れたと説明。「核拡散の脅威が世界中に広がる中、旅行者が訪れる強い理由がある」と評価したとあった。長崎が核拡散の脅威の学習の場として行くべき場所と評価されたことについて、特に核廃絶を願う長崎市民として嬉しく思う。
1996年、アウシュヴィッツの世界遺産登録に次いで、負の遺産として広島の原爆ドームが世界遺産に登録された。世界遺産登録の決定は委員会の全員一致が原則であるが、広島の原爆ドームについては、中国とアメリカが反対を表明したため、広島の原爆ドームは多数決によって世界遺産が決定された。広島は、原爆ドームについて原爆と世界の核廃絶と恒久平和を願うシンボルとして考えたが、中国・米国は日本の侵略に対する報復によって破壊された遺跡と考えたのである。それは、広島が原爆ドームを核兵器廃絶のスタート点にしようというとき、中国や米国は核兵器廃絶のスタートには立たないと言っていることであった。世界には、日本の侵略と加害による虐殺の数は、原爆被害をはるかに超えるものである。あれだけの加害行為をしてきて、被害のことばかり主張するなという声がまだ多くあった。
しかし、広島の原爆ドーム世界遺産登録に反対したアメリカの新聞であるニューヨーク・タイムズによって「2026年に行くべき52カ所」に長崎がはいり、しかもその理由が「核拡散の脅威が世界中に広がる中、旅行者が訪れる強い理由がある」と評価されたことは、2024年にノーベル平和賞を授賞した「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」の功績が大きな影響を与えたものだと私は考える。人類が核兵器で自滅することのないよう、核兵器も戦争もない世界の実現、平和な人間社会を求めて共に頑張りましょうと授賞演説で訴えたあの声をが、また蘇る。世界がますます混乱していく中にあって、ノーベル賞を授賞した日本被団協の思いが、行くべき52カ所に長崎を押し上げたのではないかと想像する。
そういう意味において、多くの国から長崎にきていただき、長崎から核兵器のない世界、戦争のない世界が広がることを祈るばかりである