ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「知られざる日本経済凋落の惨状」を読む

 植草一秀氏が書いた「知られざる日本経済凋落の惨状」という記事をネットで拝見した。いろんな方からそれらしい話は聞いてはいたが、明確に数字で見せられるとショックであった。記事をいかに引用する。

「日本経済は長期停滞に陥っている。日米中3ヵ国のドル換算GDP推移を見ると、1995年のGDPは以下の通りであった。
米国  7兆6398億ドル
日本  5 兆5456億ドル
中国    7310億ドル
そして、27年が経過した2022年のGDPは以下の通りである
米国 25兆4627億ドル
日本  4兆2375億ドル
中国 17兆8863億ドル
1995年を100として、2022年のGDPを表示すると以下の通りであった。
米国  333%
日本   76%
中国 2447%
つまり、この27年間に中国経済規模は24倍に拡大し、米国は3倍に拡大したが、日本のGDPは1995年の76%に縮小したということである。これが現実だ。平均賃金水準で日本は1995年にG5のなかで第3位にランキングされていたが、2022年にはG5最下位に転落した。2016年には韓国に抜かれ、その後は格差が広がる一方である。

日本の凋落がすさまじい。
2012年に発足した第2次安倍晋三内閣は「成長戦略」を前面に掲げた。しかし、日本経済が成長を実現することはなかった。成長戦略の具体的な柱は五つだった。
1.農業の自由化
2.医療の自由化
3.労働規制の自由化
4.特区の創出
5.法人税減税
 これらの施策の結果生じたことは大企業利益の増大と労働者所得の減少だった。成長戦略とは大企業利益の成長戦略であり、労働者不利益の成長戦略だった。経済全体の成長はまったく実現しなかった。岸田首相は当初、「分配の是正」を唱えたがすぐに撤回し、「成長も分配も」に変わり、結局「まずは成長」に変わって、安倍内閣の「成長路線」に回帰した。しかし、安倍内閣の成長戦略はすでに失敗に終わっている。岸田内閣の下でも成長は実現していない。日本経済は坂を転げ落ちるように凋落を続けている。

 日本はコロナ対応にも失敗した。世界のなかで最後の最後までコロナ異常規制を維持したのが日本である。マスク規制、ワクチン規制を世界のなかで最後まで継続したのが日本と米国だ。その甲斐もあって、日本は極めて珍しく世界第1位のランキングに輝いた。人口100人当たりのワクチン接種回数で日本は堂々の世界第一位のランキングを獲得した。日本がいかにワクチン利権に呑み込まれたのかが分かる。そのワクチン大接種と連動して発生したのが異常な死亡数の激増だ。死亡数激増とワクチン接種の因果関係を立証することは容易ではない。ワクチン利権勢力は懸命に両者の因果関係を否定しようとするだろう。しかし、ワクチン以外に死亡数激増を説明する要因を提示できなことも、紛れもない事実なのだ。日本はコロナへの過剰対応で経済の著しい悪化を発生させた。

 本年5月に、ようやくコロナ規制が解除されて、日本経済が浮上する環境がようやく整った。しかし、日本経済の浮揚力は極めて弱い。最大の原因は日中関係の悪化だ。日本が中国に対して十分な説明もせずに処理後放射能汚染水の海洋投棄を開始した。この影響で日中関係が悪化。日本経済浮上の大きな原動力が失われてしまった。処理後汚染水海洋投棄問題は日本の経済成長の阻害要因になっている」と書かれていた。

 先進国で、過去30年間成長していないのは唯一日本だけのようだ。これほど経済政策に失敗した国はないようだ。その経済政策を推進してきたのは自民党である。自民党政権の政策の失敗による長期凋落であることは明確である。しかし、自民党が長く政権を維持できたのは多くの国民が自民党を指示してきた結果である。今こそ私たちは政治について責任を負わなければならない。政治家が悪かったからと政治家に責任を負わせているだけでは根本問題は解決しない。私たちの政治家の選び方が悪かったから、国が傾きかけているのだとはっきりと認識しなければならない。基本的に、「今だけ金だけ自分だけ」の人間に政治を任せてきた結果が現在の日本の凋落を招いたことだと明確に認識すべきである。政治家を選ぶことは税金という国家の莫大なお金の使い方を委ねることである。仮に、詐欺師や泥棒に政治家のような責任重大な仕事を任せてうまくいくはずがない。

 この30年間、何度も選挙は行われた。あなたは毎回選挙に行きましたか?選挙に行かないことは好きにやってくれと一任したことになります。その結果が30年の凋落です。選挙に行った人は、本当に信頼できる人を選びましたか。投票したあとは、自分が投票した政党や政治家がどのような法律を作りどのような国作りをしているかを注意して見てきましたか?任せっぱなしにしていませんでしたか。どのような人物でも政治家という権力者になると、人間が変わってしまうことがあります。だから国民は政治家を厳しく監視することが必要だと思います。

 凋落している現在の日本で満足と言う人は政治に対する向き合い方を変える必要はない。期待通り、これからも政権与党の政治家とそれに靡く政治家達がますます衰退する日本を実現してくれるだろう。しかし、このままではダメと不満に思う人は、一人一人が有権者としての立場から、もう一度日本の政治を見直していかなければならないと植草さんの資料を見ながら改めて思った。