「従属の代償 日米軍事一体化の真実」の抜粋記事をネットで拝見した。記事の中で次のことが書かれていた。
「『戦後最も厳しく複雑な安全保障環境』ーー近年、日本政府が安全保障について語る時に枕詞のように使うフレーズです。確かに、台湾海峡の緊張激化や北朝鮮の核・ミサイル開発、中国とロシアの関係強化など、日本を取り巻く安全保障環境は第二次世界大戦後最も厳しいものになっていると言ってもいいでしょう。そんな中、『近い将来、日本が戦争に巻き込まれてしまうのではないか』と不安を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2024年4月に岸田文夫首相は、米国連邦議会で演説を行い、日米同盟をいっそう強固なものにするため、自らが先頭に立って防衛力の抜本的な強化を進めてきた成果をアピールし、『日本は米国と共にある』と強調しました。この言葉に象徴されるように、日本政府は米国とどこまでも行動を共にすることで、厳しい安全保障環境を乗り切ろうとしています。
防衛の現場を取材していると、今、日本は、物凄いスピードで自衛隊の軍備強化と米軍との一体化が進んでいます。しかし、このまま米軍と軍事的に一体化する道を突き進んでいってよいのでしょうか。この国の安全保障の在り方を今一度見つめ直してみる必要があります
最近の動きで私が特に注目しているのは、米軍と自衛隊のミサイル部隊の一体化です。2018年7月13日付米軍準機関紙『星条旗』に掲載された記事によると、ハワイ周辺の合同演習において陸上自衛隊の兵器システムが、米国の火力統制下(under U.S. fire control)に置かれ、陸上自衛隊のミサイルは、米軍の統制下で初めて発射されたと書かれていました。これ以来、自衛隊のミサイル部隊が米陸軍のミサイル部隊に組み込まれる形で一体化していっています。そして、2022年には、南西諸島で初めて、陸上自衛隊と米陸軍による共同対艦戦闘訓練が行われました。
さらに、今後大きな問題として浮上してくるのが、米軍の地上発射型中距離ミサイルの配備です。米軍は現在、最大のライバルである中国に対抗するため、ミサイル戦力の強化に力を入れています。特に重要視しているのが、射程距離が500〜5500キロ級の地上発射型中距離ミサイルです。米国は最終的に地上発射型中距離ミサイルを日本に配備する予定です。米国が地上発射型中距離ミサイルを日本などに配備した場合、中国とロシアは対抗措置をとるとすでに明言しています。北朝鮮もそうするでしょう。そうすると、日本も含めて、東アジアは激しいミサイル軍拡競争の時代に突入することになります。
そして、ミサイル軍拡競争は核兵器とも深く関連しています。人類が破滅的な核戦争に最も近づいたと言われる1962年のキューバ危機も、ソ連が米国に近いキューバに地上発射型中距離ミサイルを配備したのが原因となりました。米国が中国やロシアに近い日本に地上発射型中距離ミサイルを配備すれば、これとよく似た構図になります。
米国政府は、これから配備する地上発射型中距離ミサイルは通常弾頭用で、核弾頭の使用は考えていないと説明しています。しかし、これはあくまで政策の話であり、能力的には、その気になればいつでも核弾頭を使用できるようにすることが可能です。中国やロシア、北朝鮮は、米国の政策はいつでも変わり得るという前提で対応するでしょう。
キューバ危機は間一髪のところで核戦争が回避されましたが、次に同じような危機が起きた場合、回避される保証はありません。そして、その舞台が日本になるという「最悪のシナリオ」が考え得るのです。
はっきりしているのは、もはや「他人任せ」「他力本願」では平和を守っていけない時代になっているということです。この国の主権者である国民一人ひとりが自分の頭で考え、自分なりの答えを出して行動するーーそのような主体性が今ほど必要になっている時はありません。核戦争という「最悪のシナリオ」を回避できるかは、私たち一人ひとりの行動にかかっています」と記事は語っていた。
この本は、対米従属という現在の日本の安全保障政策の危険について述べ、戦争に加担するのか平和の架け橋になるのか決断を迫っている本である。日本国民の多くは戦争を望んでいないだろうし、平和への道を歩むべきと主張する著者に賛意を示す人が多いだろうと思って、コメント欄を読むと著書を非難する論調が多いのに驚いた。10人以上批判者が続いた後に、それらの批判者に反対する次の意見を初めて見て安心した。
「中国が台湾を攻めた後は沖縄が危ない。台湾有事は日本有事だ。シーレーンも危ないと煽る人が多いが果たしてそうだろうか?台湾は国連に加盟もしておらず、国として認められてなく国交の無い国も多い。台湾は中国の国内問題で、それと日本領土で有る沖縄に侵攻して来るのとでは全く話が違う。台湾有事になれば日本も戦争に介入すべきだと言う人に問いたい。NATOや日米同盟の様な条約を台湾と結んでいないのに参戦するのですか?もし中国が日本に攻めて来た場合、台湾は日本を守ってくれるのですか?台湾有事に日本が参戦するとなると、研究では自衛隊の戦力の80%を失う事になるといいます。なんの条約も結んでないのに参戦して台湾防衛しろと言うのなら、国士様の家族で嫁娘息子を戦地に送って勝手に中国と戦って下さいな」とあった。
台湾有事になれば日本も戦争に介入すべきと考えている人は、日本全土が戦場になることもやむなしと考えているのだろうか。日本でウクライナやパレスチナのように多くの国民が戦争で命を落とすこともやむなしと考えているのだろうか。あまりに無責任ではないかと思う。解決法がないのならともかく、アジア諸国は米中の覇権争いに巻き込まれないように知恵を出し合ってアジアの平和維持のための活動を行っている。日本は対米従属で軍備拡張に走り戦争の危険を高めるのではなく、日本はアジア諸国と共にアジアの平和維持にこそ努めるべきであると切実に思う。